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家にはほとんど人がいなくて、以前のような騒がしさは感じられない。
会社の経営を任されているロボロさんや、情報収集を任されているうつさん。

そして、まだ新入りということもあってたまに帰ってくるショッピさん、チーノさん以外の人たちと顔を合わせる機会が減った。

ut「Aちゃん、そんな暗い顔せんの。」
『…うつさん』
ut「俺らも伊達にヤクザやってへんからね、安心し?」
『分かっては、いるんですよ』

ここの人たちが負けてしまうほど弱くないことだって知ってる。家に残った人たちが彼らを信じて待ってるのだって。私みたいな一般人に、“家族”でない人間には安心できる材料が少ないんだ。

『分かってても、やっぱり怖いです。』
ut「Aちゃんに危害は加えさせへんけど、いざ他の組と抗争です!なったら怖いよなぁ。」

ロボロさんに聞いたけど、こんなに派手な抗争は初めてらしく、彼ら自身も気を抜けない状態らしい。

rbr「あー疲れた、あれ二人して暗い顔してどうしたん。鬱先生怖がらせたんか?」
ut「そんなんしとらんわ!Aちゃんが暗い顔しとるから話聞いてただけ」
rbr「…外出れんからなぁ。気分転換も出来ひんし」
『あ、いえ!お気になさらず。そろそろ部屋に戻りますね』

気を遣われるのも申し訳なくて居間から逃げ出す。与えられた自室に向かう途中、ぼんやり庭を眺めるトントンさんを見つけた。

彼とはあれ以来話していない。お互いに気まずくて顔を合わせても会釈をするくらいで、まさか部屋の前にいるなんて思ってもみなかった。

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作者名:ちぇる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月25日 16時

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