1.日常から非日常へ ページ3
***
談話室でゆっくりとしていた私たちは、テレビで流れるニュースを真剣に見ていた。
が、それを私たちのリーダー的存在であるグルッペンが容赦なくリモコンで消した。
『…この星は、滅んでしまうのかな』
gr｢さぁな。まだ分からんだろ｣
ut｢僕たち、どうなるん｣
不安に思い口々に言葉を放つ私たち。
しかし、誰もが不安な中で明るい希望は見えない。ただ不安を色濃く感じるだけだ。
都会とは言えない廃れた街の端にある、小さな孤児院。ここが私たちの暮らす“家”。
各々が家族と暮らせなくなったり、自らの意思で来たり、生まれた頃からいたりと様々な理由で同じ時を過ごしている。
同じ境遇だからこそ仲良くなれたのだと思う。
shp｢俺たちみたいな孤児にどうこうしてくれる大人なんかおるんか？｣
ci｢俺ら、死ぬんかな…。いやや、死にたくない！｣
tn｢落ちつけ。まだ死ぬかなんて決まってないやろ｣
em｢…ニュースでは政府が動こうとしていると言ってましたが、噂によればその政府ももうこの星にはいないとか。｣
gr｢どういうことだ？｣
不安で泣き出してしまったチーノくんに厳しいながら慰めたトントン。
そして、何か知っている様子のエミくんが静かに声を上げた。
em｢たまたま、パソコンを見ていたら見つけてしまったんです。｣
zm｢じ、じゃあ、ほんまに助かる方法はないってことなんか？｣
em｢いいえ。あるにはありますが…｣
kn｢子どもの俺らには難しいんか？｣
言い淀む様子から、何か理由があって言えないらしい。彼の表情からして、良くない理由なのだとは理解出来た。
重い空気のまま誰も口を開かなくなってしまった。
sha｢あ゛ー！辛気臭いねんて！死ぬとかどうとか考えてもしゃーないやろ！｣
rbr｢そうやで。出来ることがないか各々探そうや｣
今まで
確かに、まだどうにか出来るかもしれないのに諦めるなんて馬鹿らしい。
出来ることを、やってしまおう。
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