太陽 ページ29
修学旅行から帰ってきて早半月。学年末考査も一週間後に控えている。
そのため、教室に居残り黙々と勉強していると見慣れた蜂蜜色の髪。
｢…あれ、まだ残ってたん？｣
『シャオちゃんこそ』
最近めっきり話すことがなかったシャオちゃんが、廊下から顔を覗かせる。
一見彼は手に何も持っていないし、こんな時間に何で廊下を歩いているのか。早々に家に帰っているものだと思っていた。
｢俺はなぁ、今回コミュ英で欠点とったらやばいから先生にプリント貰ってやってるねん。｣
『…そうなんや』
｢Aこそ何しとるん？一人で勉強？｣
『ううん、捏島くんが先生探しに行ってる間にプリントとかまとめようと思って。』
｢ふぅん。そうかぁ…。なんか、話すんも久しぶりやなぁ。｣
『…そうやね。結構久しぶりかも』
クラスも違うし、最近は特にお迎えに行かなきゃいけなくてすぐ学校を出ていたから尚更だろう。
それにしたって彼から連絡が来ることもなくなったし、あれ程にアピールされていたのに変な感じだ。
『ねぇ、シャオちゃ…』
｢なぁ｣
『な、なに？』
｢Aさ、コネシマのこと好きやろ｣
不意に突かれた事実に言葉が
眉を八の字にして困ったように、優しい笑みを浮かべて私を見つめている。
『え、えっと…』
｢見とったら分かるもん。A、コネシマとおるときめっちゃ楽しそうやし。｣
『…』
｢そんなA見てたらさ、俺が入る隙なんかないのわかったんよ。｣
そんなにも分かりやすく、顔に出ていたのか。言い逃れもするつもりなんてないし、彼もそれを分かっているんだろう。
｢…やから、俺はAの幸せなんやったらそれでいいって思ってる。｣
『ごめんねシャオちゃん』
｢んーん。Aのこと好きになれて良かった。じゃ、俺そろそろ行くわ｣
窓枠にもたれかかっていたシャオちゃんは手を振って私の前から消えた。
『私こそ、好きになってもらえてよかったよ』
一人の教室ではよく響く言葉も、風に乗せられてどこかに行ってしまった。
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更新遅れてすみません。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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