【d!】最低な祝福、キスで落として。 (ページ2)

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困惑ページ2

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あれからというもの、彼は分かりやすく私に関わってくるようになった。組員さんたちも気づいているのか優しい目で見てくる。

『…あの、集中出来ないんですが。』
tn｢気にせんでくれ｣
『気にしますけど』
tn｢好きになってくれたん？｣

こうも会話が出来ないと対処も出来ない。
コネシマさんやシャオロンさん、ゾムさんは面白そうに笑うだけで助けてはくれない。他の人たちだって知らんぷりで距離の近いことだって指摘してくれない。

私はまだ承諾してすらいないんだから、誰かトントンさんの行動にストップをかけてくれないのだろうか。

『あの、私言いましたよね？』
tn｢大学関係のことをしてる時は話しかけないでくださいってやつやろ？やから俺からは話しかけてへんで。｣
『屁理屈を…』
tn｢なるべく一緒におりたいんよ、あかん？｣

自分の顔がいい事を分かってるからこそ出来る、申し訳なさそうな表情。私が何も言わないのを知っててやるなんてタチの悪い…。

『…はぁ。好きにしてください。』
tn｢よっしゃ｣

流石に私が自室に行く時は着いてこないものの、台所に行ったり御手洗に行く時すら後ろをひよこみたいに着いてきてニコニコ笑ってる。
最近では送迎にまで着いてくる始末。若頭がそれでいいんだろうか。危険なのでは？

こうやってグルグル考えたって、言葉にしなきゃ意味はない。ただ、指摘したところで返ってくる言葉は一つ。

tn｢“誰よりも身近でAを守りたいんよ”｣

そんなこと言われてしまえば、やめてほしいなんて言えないだろう。だから好きにさせているのだけれど。

大学のレポートを打ち込んでいるだけなのに、こんなに熱心に見ていて興味を引かれたのか何なのか、居間にいればすぐ隣に座ってくるし。距離は近いし。
女性が苦手だって言ってたはずなのに、聞いてた話と違う。

じっと顔を見てやれば、視線に気づいたのか急に距離を取り始めた。

tn｢な、なに?!｣
『…いえ、真剣に見てるなと思っただけです。』
tn｢ち、近かったなごめんな｣

たまにこうやって初心な反応を見せてくれるのは、仕返しをしたように感じてスッキリとはする。

もう少し上手く距離感を測ってほしいものだ。