白鳥沢の姉御マネージャー！⑥ (ページ19)

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唐突の訪問ページ19

翌日

「龍上さん」

『はい』

「君に紹介したい人がいるんだ」

『？……はい』

全日本男子ユースの火焼呼太郎監督の後ろを追って行った。火焼監督が止まったのはある一室。

「ここだ。……」

ドアノブに手をかけ、ゆっくりと押していく

「彼女は」

『……っ！！』

扉が完全に開いた時

「全日本女子代表チームの監督、田沼里奈子さんだ」

『！っ……え……』

そこに居たのは、紛れもない本物で。一瞬呼吸の仕方すら忘れてしまいそうになった。

ここに、全日本男女チームの監督が……？

「初めまして。紹介にあった通り、全日本女子代表チームの監督をしています。田沼里奈子です」

『え……あ…』

「……じゃあ私はここで」

「ありがとうございました」

火焼監督は行ってしまった。部屋には私と田沼監督のみ。

「座って。立ちっぱなしはキツいでしょ？」

『あ……はい』

応接室にあるようなソファに向かい合って座った。

『！そうだ、私は「龍上蓮さん」……え』

田沼監督はニコリと笑って

「知ってるわよ。今日来たのはあなたと話がしたかったから」

『なん、で……』

「全国区の選手であったにもかかわらず、プレイヤーとしての活動は4年前の中総体で途絶えてしまった」

『……はい、膝の故障が原因で』

「辛かったでしょうね」

『……』

辛かった、辛かったと言えば辛かったんだろう

『確かに当時は苦しかったです。もうバレーが出来ない、何も出来ない、目の前が真っ暗になって、一時期笑えませんでした』

「……」

『……でも、今はそんな事全くないんです』

まったく……察しのいい頭がホントに嫌になるよ

『私はマネージャーなので』