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【92】馬と鹿 ページ42

そらる side




「曲作れて?歌上手くて?なのになんで音楽全く理解してないんだよ!!」



30分。


何拍子かは分かるのに



「記号わかんないのなんで!?」

『いやぁ…ね…』

「お前どうやって曲作ってんだよ…」

『じゃんじゃーんて』



まぁ、それはいいとして。
テストをやって、50点満点で作ったのだが


「8点って…」



その後、二時間かけてやった音楽勉強会。
どうにか覚えたらしく、Aは魂が抜けたかのように意気消沈している。

するとぬるっと立ち上がりふらふらと歩いたと思えば鞄からスケッチブックと鉛筆を取り出し


『そらるさん、動かないでください』


ぱしゃっと俺の写真を撮ると、それを見ながらスケッチしだした。


「なんで俺なんだよ」

『いいポーズしてたからですよ』


覗き込むと、さらさらと動く鉛筆と綺麗に描かれる輪郭。

絵を描いていく目はキラキラと輝いていて、愛おしい。弟がもう一人できた気分だ。


「そらるさんがお兄ちゃんしてる」

『え?』

「弟二人と、妹さんいるんだよ」



余計なことを…と思いながら
なんやかんや、図星でなんとも言えない気持ちになる。


「そうなんですね」と微笑むA。
まだ少し良くない顔色。

念の為。家で待機中だけど、土曜は土曜参観で日曜はライブ。

彼はそれを投げ出すことはしないだろう。



「アホな事言ってないで飯作るぞ」



時刻はご飯時


━━━━━━━━━━━━━━━


「寝ちゃいましたね」

「まぁ、そりゃな」


Aを俺のベッドに寝かし、
二人で酒を呑む。

まふと一緒に呑むお酒は、他の奴と違い
なんか、こう、素直に話せるようになる気がする。


「俺らも忙しいから、ずっと見るのは難しいよな」

「そうなんですよね…みんなで交代…という訳にもいきませんし」


絶対無理をするのがわかっているからこそ
不安になるものだ。

souは、色々考えてできるタイプだけど

Aは考えているけど、自分のことを知れていない部分が多い。

その分、無理をしやすいのだ。


「米津くんに、伝えておきましょう」

「そうだな」



酒が、進む

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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます!がんばります!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです!応援してます! (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる! (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます!頑張ります!! (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨音 x他1人 | 作成日時:2019年12月27日 16時

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