〜第一章〜 海 【歌い手】 2

【76】声 ページ26

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初詣に来た。
誰も一緒に来る人なんていないけれど、


沢山賑わってて、みんな浮ついてて、

「いいなぁ」なんて。


歩いていると、
数人の男の子と、もう一人。

なんかオーラの違う奴。
そいつは「前とは違う」そう言った。


じゃあ、僕は？

僕は、自分に嘘をついて、
周りに嘘をついてる。


「変わり、たい…」



いや、


「変わる。」


神様、お願いします、



僕に、僕に、少しでいいので勇気を貸してください



少しでいいから…




そう願うと僕は、ペンを握り
絵馬に書いた。



沢山の人を声で笑顔に出来ますように



帰ろうかな…そう思っていた時、
さっきの子がチョコバナナを食べて、笑っていた



その声は、何故か 勇気 が湧いた。



「…あの、一つください」

「はいよー！」



口で溶けるチョコと
甘いバナナが心を溶かした。

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