【68】普通じゃないから面白い。 ページ18
A side
怖かった。
腕を切ってしまったことがバレるのも、
それをみんなに隠している自分も嫌いだった。
そっと、袖の上から腕を撫でると
まだ新しい傷口が熱を持っている。
「よし、準備するか」と立ち上がるとくらくらと目線が揺れた。
思わず机に手を置いてしゃがみこんではそらるさんに支えられ、「座ってなさい」とソファーに強制送還された。
そしてそらるさんは「少し待ってて」と自分の鞄の中からポーチを取り出し、中から小瓶を取り出した。
「貧血に効くビタミン剤」
『何で持ってるんですか』
「この仕事してたら、体調崩しがちだから」
「一回二錠ね」と、お水を渡された。
それを見ていたそらるさんは「じっとしてなさい」と言いながら、鍋の具材を切り始める。
「ソファーで大人しくスマホでもしばらくいじってなさい」
『…おかんみたいです』
「もっかい言ってみなさい(*^^*)」
『ナンデモナイデス！！』
僕はソファーに横になりながらスマホで自分のチャンネルをチェックする。
あの後歌ってみた王道の曲を
月に一本投稿し経過を確認していた。
そのうちの一つ【深海少女】の歌ってみたのコメント欄を開く。
［選曲が知ってる曲で嬉しい。］
［人生、楽しそうだなぁ…］
［安心した歌声の中にある実力、これからどうなるか楽しみ！！］
［個性的な声だけど安心する］
好評の声もあれば
［調子に乗ってて気持ち悪い。］
［性格ゴミだろ絶対w］
と、好評の数と悪評が７：３くらいだ。
バラードや色々な曲を歌いたいな、と思う反面、
オリジナル曲を出していかないと将来の道がないのでは
とも思うようになってきた。
今あるオリジナル曲は【Bullying】のみ。
青春をテーマにした今だからできることを書きたい。
やりたいこともやらないといけないことも沢山僕には残っている。
『オリジナル曲、か』
その言葉がかき消すかのように
まふさん達が帰ってくる。
立ち上がり、少し貧血が治まるのを待ち荷物を受け取りの向かう。
遅れている部分を、
遠回りをしてでも＿＿
《ピースさんの登録者は １４万人です》
みんなが思っている以上に
彼が
まだみんなは、知らない。
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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます！がんばります！！ (2020年2月22日 22時) (
レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです！応援してます！ (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 x他1人 | 作成日時：2019年12月27日 16時
