【59】袖 ページ9
A side
「そういえば一人、不思議な男の子が来てるんです」
センターステージの下。
そこは少し冷えていて緊張もあってか指先が冷たい。
こんなひよっこ歌い手がこんなとこにいるの夢みたいで
舞台に立つ自分の姿は今から確実に起きる、本当の僕の未来なんだと。
米津さんも、まふさんも、天月さんもそらるさんも
96猫さんも、坂田さんもうらたさんもセンラさんも、志麻さんも、Souさんも。
先輩方みんなが
僕なんかに良くしてくれた。
僕が出るからと、忙しい合間を縫ってこのライブに裏方として来てくれる。
そんな素敵な先輩。
夢ならば覚めないでと、鼓動を抑えようとして、胸にどれだけ手を当てたか。
「大丈夫？」
後ろから現れたのはスタッフとしてインカムを着けているまふさん。
『すこし、心臓が』
「こんな僕が って思ってる？」
心を見透かしたかのような言葉に
心が揺れる。
目を見るとその目は僕の時が止まったかのように
優しく、強く、頼もしかった。
「あの米津くんが認めたんだよ？
僕だって、みんな
みんなが【ピース】という人を認めてる。
敵としても、人としても
実力を。
だから、胸を張って歌ってきて？
そうじゃないと
僕らが困る」
こんなことしか言えなくてごめんね
と、まふさんはクシャッと笑った。
『僕は、あなたのようになりたい』
声が漏れていた
『僕の方こそ、あなたに胸を張ってもらわなきゃ困ります。
人生と、歌の、先輩なんですから』
生意気な、と思っただろうか
「ふふ、じゃあ、こんなこと、じゃないか。
この言葉、みんながおもってるよ。」
その声は僕の心を解した。
笑顔にすると決めた。
届けると決めた。
そのためなら命だって惜しくない。
「それではお呼びしましょう。
Arrange ver.
ピースくんで、【さくら】」
天月さんのいるメインステージからの紹介が終わった。
まふさんが「がんばれ」とステージの奥に隠れていく。
僕の名前の後、「ピースくんって…あの！？」
とか、「米津さんの、弟子の子だ、」
と、ライトの色が黄色と白に変わる。
僕のこと、知ってるんだ、
先輩達が、広めてくれたんだ
＿＿＿
Aの力。
僕らが広めても好きになるかはファン次第だからね
＿＿＿
米津さんが、メールでエールをくれた。
笑顔に、するんだろ。ピース。
『僕らは＿＿＿』
歌声が、
ホールに響いた。
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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます！がんばります！！ (2020年2月22日 22時) (
レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです！応援してます！ (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 x他1人 | 作成日時：2019年12月27日 16時
