【58】本番 ページ8
天月 side
等々、Aのお披露目の日がやってきた。
兵庫県、神戸国際会館。
初めてのライブ。
初めてでこんなに広いライブ会場。
大丈夫か…とAを見ると
『はいっ、よろしくお願いします！』
と、その姿は僕らの思いも知らず、
ハキハキと、そして輝いて。
親の気持ち子知らず
まさにそんな感じだった。
そして生憎、お兄さんは途中からしか来れないそうだ。
隣で「凄いね、A、初めてなのに。少し前まで人も怖くて…」と微笑んでいるまふ。
この業界。
【誰かに見てもらう】世界。
ファンがいなきゃ、続かない世界。
この世界にいるうちに耳にすることが増える言葉。
【運】と【人との巡り合い】
が、その後を変える。
人生もそうだけど、この世界は半分運のようなものなのだ。
「彼には力がある。夢がある。未来がある。でも、それだけじゃない」
「え？」と僕を見るまふ。
光る瞳は、綺麗だ。
｢人間は、
出来ない事を多く持って生まれてくるんだよ、
それは、一生をかけて克服するために
神様が与えた試練だからね、
ばあちゃんが僕に渡した手紙に書いてあった言葉。
それには続きがあるんだ」
まふには、酒を飲んだとき、この話をしたことがあったっけ。
でも、酒の力を借りなくても
彼 の前ならこんな言葉も言えるんだ。
「その分、克服をしたら
その先は高みをめざして
人は楽しみ、上へ上へ向かう生き物だよ。
ばあちゃんは、これを辛い時、じいちゃんに聞いたんだって」
『じゃあ神様が僕らに笑顔と力をくれる分、
周りにいる人を笑顔にして
歌で、まふさんや、天月さん、米津さん、
皆さんにありがとうを届けないとですね』
いつの間にか聞いていたらしい。
鶴の恩返しです！！と笑う彼にはきっと敵わない。
みんなのプレッシャーが凄いはずなのに
こんなにも周りを笑顔に、一番に考えられるんだから。
「聞いてたの？」
『はい笑
天月さん、よろしくお願いします』
Aは、僕らにとっての
【主人公みたいな人】
「楽しめよ」
『当たり前です！！』
「ふふ、弟みたいだね、本当に」
『なんですか急にwww』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます！がんばります！！ (2020年2月22日 22時) (
レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです！応援してます！ (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨音 x他1人 | 作成日時：2019年12月27日 16時
