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「ハッピーバレンタイ〜ン!!」
元気な友達と正反対に「はぁ…おめでとう?」と苦笑いで答える私は女の子の日3日目です。まだお腹痛い。
その元気な友達は以前彼氏にチョコケーキ頼まれたのって言ってた子。丁寧なことに友チョコまで昨夜作ったそうだ。
「はい、Aあげる〜♪」
「ありがとう。ごめん私なにも用意できてなくて…」
こんな美味しそうなのくれたのに申し訳ない。
「いいっていいって〜気にしないで!
Aは前言ってた人に作るんでしょ?
莉犬くん…だっけ」
歌い手だとかの詳しい話はしてないけど名前は教えていた。
「うん、帰ったら作るよ」
「じゃあ私のお手製チョコ食べて午後の授業も乗り切ろ〜!」
・
授業が終わり、家に帰るとまだ誰も帰ってなかった。
「良かった〜あいつにバレると面倒なことになるし早く作っちゃお」
作ってる間、莉犬くんのことを考える。
見てくれるかな、喜んでくれるかな。
でもきっと沢山の人が貴方に贈るだろうから、もしかしたら見て貰えないかもしれない。
それでもいい。ありったけの気持ちを込めたこのチョコを作ることに意味があるから。
「できた〜〜〜!あとは少し冷やさなきゃね」
冷してる間に使ったものを洗わないと…。
鍵を開ける音がした。帰ってきた、母親が。
片付けも何も終わってない。怒られるなこりゃ。
案の定、母親はキッチンに立つ私を見るやいなや
「男に作ってんの?気持ち悪い」「お前から貰って嬉しい奴なんていねーよ」など罵倒してきた。
無言を貫いて洗い物をする私にムカついたのか、完成したブラウニーに触ろうとしてきた。
絶対皿ごと床にぶちまける気だ。
私の方が一瞬早く皿に手が届き、死守する。
その態度に更に怒った母親は「出てけ出てけ」と叫んだ。
こうなると手が付けられない。
私はブラウニーをラップで簡単に包み、それだけ持って家から逃げ出した。
既に充電の切れている携帯以外は何も持たずに。
家に帰る前は晴天だった空は荒れていて強い雨が降っていた。
勿論傘も持っていない。
お腹が痛い。
「辛いよ…莉犬くん…」
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ユメタン - めっっちゃ、面白かったです (2022年4月24日 22時) (レス) @page43 id: 456e981083 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよーん(プロフ) - 以前初めて読みまして、また読みたくなって一気読みしました!日菜さん、どうかこのコメントを見ていましたら作品を完結させて欲しいです!この作品大好きなんです続きが読みたいです...。twitterもフォローさせて頂いてますが、学生活お忙しいと存じますが応援してます (2021年4月19日 17時) (レス) id: f513fe2fe5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 1番大好きな作品です!!!!!!更新楽しみにしてます!応援してます!Twitterの方もフォロー失礼いたしました!!!!語彙力ないんですけど、本当に好きですから!!!!! (2020年6月3日 0時) (レス) id: ec94b4e7e3 (このIDを非表示/違反報告)
まど(プロフ) - 日菜さんの莉犬くん愛がひしひしと伝わってくるお話だと思いました!青い鳥の方もフォローしてひっそりと見させて頂いていますが…本当に莉犬くんが好きなんだなぁって微笑ましく見ています!夢小説は苦手だったのに日菜様だけは好きです!応援してます更新待ってます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c5cc66b24a (このIDを非表示/違反報告)
れもん - スクランブルエッグだけでなく、パンケーキをブラックマターにするのも、れもん氏は得意です。(は?) (2020年5月23日 10時) (レス) id: cf66eac031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日菜 | 作成日時:2020年2月17日 16時