委ねる ページ50
リヴァイside
驚いたのか、目を見開くA。
リヴァイ「！お前……」
『はぁっ……はっ……ぁ……』
焦点を失ったような眼。可笑しい事に、瞳孔は開いたり閉じたりを繰り返している。
汗で額に髪が張り付いていて、呼吸は浅く、目には薄い膜を張っていた。
そして、
『い、だい……っ』
黄金に輝く目が、Aではないものの存在を主張しつた。
リヴァイ「……ジャン」
ジャン「はい」
リヴァイ「しばらくコイツを頼んだ」
ジャン「え……でも、副長がこんな苦しむなんて普通じゃ……」
リヴァイ「そうだ。コイツは普通じゃない。もし暴れようとしたら殴ってでも気絶させろ」
ジャン「！！」
ジャンは驚いた顔をして、そんな事出来ないとでも言いたげな目を向けた。
リヴァイ「……」
『あっ……ぐ、ふっ……う…ﾌｰｯ…ﾌｰｯ……！』
頭を抱えて蹲るAは、今まで見た事ない程苦しんでいた。
確かに俺も思う。何があった、どうしてこんなに苦しむ、と。外傷も無いのにこんなに痛がるのは普通じゃねぇ。だから、少し心配だと思う。
リヴァイ「……エレン。毎度すまないと思うが……
好きな方を選べ」
状況判断力なら、俺よりAの方が優れている。本当なら、ここでエレンに託すべきじゃねえって言うだろう。
ジャン「副長……」
『ぅ……っ』
仕方がなかった。もう天井も崩れちまうし、何も選ばなかったら全員が死ぬだろう。
毎度毎度こうしてガキに委ねなければならない。
エレンは雄叫びをあげて走り出した。
『わ、たしは……っ』
リヴァイ「……？」
『王の……影…！』
死にかけの獣のように、ただ何かに縋る狂気の眼が、そこにあった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - Gall〆Йさん» 温かいコメントどうもありがとうございます！アンケートの結果を見て考えたいと思いますので、もう少しだけ待っていて欲しいです。 (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
Gall〆Й(プロフ) - めっちゃ読みたいです！ (2021年3月27日 14時) (レス) id: 451d341f0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年12月12日 14時
