単独 ページ25
「なんだ貴様。ここに何の用だ」
『……中を、見せてくれ』
「何だと？一般人がここに入れる訳ないだろ。ここは今調査で立て込んでる。家に帰れ」
今が兵服じゃなくて良かったかもしれねえ。俺だと気付かれない。
『ここで人が殺されていると聞いたんだが』
「だから何だ。俺達はそれを調べてるんだ。邪魔だからさっさと消えろ」
『消えろ、か。……そうか』
「……？」
『お勤めご苦労様だな。憲兵様』
そう吐き捨てて兵舎を後にした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
あいつは中央第一憲兵。ジェル・サネス。煙草臭かった、調査なんかしてねえな。そりゃそうだ。
あいつが殺したんだから。自分が殺した奴の調査なんか時間の無駄だろうな。それよりだったら隠蔽に時間を費やすだろう。
そんな事を考えながら馬を走らせて王都に行き着いた。
『……ちゃんと待ってろよ』
夜に少し落ち着かない馬を撫ぜた。
あぁ……嫌いだ。王都。王様。貴族。権力を振りかざして利己的な動きしかしない奴。己が肥える為なら犯罪紛いのことも隠れてやっちまう奴。
こういう所が昔から大っ嫌いだった。地下で泥水を啜った方がまだマシなくらい、ここは汚く腐っていて、吐き気がする。表を綺麗に着飾って、そのすぐ裏は日に日に腐敗していく。地下はもう腐るとこまで腐ってるからどうしようもねえんだよ。
それでも、地下にも良い奴はいた。こいつらの為なら命さえ投げ出せる、そんな仲間がいた。今となっちゃそれは1人までに減ったが。
これだけは断言出来る。ここにはそんな奴いねえ。
……あぁそうか、なら俺もその一族になっちまうのか。胸糞悪ぃ。
「な、何なんだ貴様！！」
白髪頭、池の水みてえに濁った目、ブクブクと肥えた体、宝石や高級な布を見に纏ったクソジジイ。
良い思い出なんかひとっつもないこいつとの過去がフラッシュバックする。
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すみた先生(プロフ) - Gall〆Йさん» 温かいコメントどうもありがとうございます！アンケートの結果を見て考えたいと思いますので、もう少しだけ待っていて欲しいです。 (2021年3月27日 14時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
Gall〆Й(プロフ) - めっちゃ読みたいです！ (2021年3月27日 14時) (レス) id: 451d341f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2020年12月12日 14時
