新メンバー・爆誕！【2】 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:21,216 hit

・ページ10

いつも通り閑散とした駅のホーム。そんな静けさとは対照的に、僕らの気持ちは五月蝿いくらい高まっていた。理由は簡単。修学旅行当日だからである。

「そういや、お前親にちゃんと言ったの？」

「は？言うわけないやん。あんないつ帰ってくるかもわからん奴に僕の行動制限されたくないんで」

強いなぁなんて苦笑いをしながら瑞希は少し大きめの鞄の中身をのぞきながら、５回目の忘れ物チェックをしている。……なぜコイツは外面良く完璧人間装ってる癖に、こうどんくさいのだろう。

「忘れ物ない？……これ聞くの５回目やけど」

「待って……ん？あれ、歯ブラシ忘れた」

「……お前さっき洗面用具の中に入れとくって言っとったやん」

怒りを通り越してもはや呆れる。何回確認すれば気が済むのだろうか。というか前もってやっておけよ。

「あ、瑞希！A！おはよ～」

学校に着くや否や挨拶をしてくる山崎。前回のグループ分けの時に話して以来、山崎は僕達のことを名前で呼ぶようになった。僕自身人の名前を覚えるのが苦手なため、『くん』付けするのをやめるくらいしかできなかったが。

「おはよう山崎。早いね」

「まーね。俺基本的に普段から学校も早めに来とるしな」

「あれ、十は？」

「さぁ？まだ来てないっぽいよ」

辺りを見渡してみても、それらしき人の姿は見えない。彼も普段は早めに学校に来ているはずだが……。

「遅刻じゃね？」

「瑞希じゃないんだからそれは無いだろ」

「はぁ～失礼な奴だなぁその節はすみません」

「お前らホント仲ええなｗ」