【○魂】無気力＋ドS=最強 3

刀にうるさい奴は味にもうるさい ページ15

貴方side



「ない！！！」


ない、何処を探してもない


机の下、棚の上、テレビの裏、布団のなか、下...には沖田に借りたSMエ ロ本


「ない、何処にもない...！」


私は寝間着のまま廊下へ飛び出した


ドタドタと走っていると向かいからザキが歩いてくる


山崎「あぁ、Aさんおはようございまっ...ひっ！」

「おいテメェか山崎ィィィ...私のアレ何処にやった」


眼孔をかっぴらいてザキの胸ぐらを掴み上げる


山崎「ええっ、何の話ですか！？」

「かたな、だよ！私の刀...！！」


かたな？と首を傾げるザキを突き飛ばして道場へ向かう


役立たずめが


山崎「り、理不尽だ...」



いーち、にー、と素振りの声が聞こえる道場に向かう


私は固く閉ざされたその扉を拳一発で叩き壊した


中で稽古中の隊士達が一斉に此方を見る



沖田「なんでィなんでィ騒がしーな」


「なんでィじゃねーだろ、お前か沖田」


奥からアイマスクを外しながら出てきた沖田に落ちていた竹刀を突きつける


沖田「はぁ？何の話で？」

「惚けるな、お前しかいねーんだよ」


クイッと竹刀で沖田の顎を上げれば沖田が真剣な眼差しになる


沖田「なんですか、朝から俺とやり合おうってんで？」

「そんなことしてる場合じゃないの、早くアレ出せよ」


ギッと睨むと知らないような顔をして私を見る沖田


沖田「だからアレって何ですかィ？この前貸したエ ロ本？」


「あ〜あれイマイチだったわ、なんか修正とかあんまり好きじゃなかったわアレ。あとなんか女優が不細工だったからさ〜何か燃えなかったわ」


土方「テメーらは朝から何の話してんだ」


「うっ！」


ゴッという鈍い音と共に私と沖田は道場の床に叩きつけられる


「あ！さては犯人はテメーか土方！」

土方「なんの話だ殺すぞ」

「うわぁ理不尽」

沖田「大体さっきからアレってなんのことですかィ？」

沖田が鼻血を垂らしながら聞く


「だからないの！！私の愛刀、妖刀紅天華が！」


＿＿＿


「ったく...誰だよ私の刀盗んだやつ...」


ぷらぷらとかぶき町を歩きながら飴を舐める


急遽刀がないので代わりにボロッちい土方さんの木刀を借りて見廻りに来たところだ


「うんこ」とかかれたこのクソ木刀を携えて私は紅天華探しに没頭していた


いや、うんこって書いたのは幼い頃の私だけどね


「しっかし何処にいったかな...」


「キャー！ひったくり！」



...クソッ




切れ味の悪い刀の時に限って




ホントに運が悪い

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