16.悲劇、始まる現実 ページ16
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夕暮れ時、グレードの中は混乱で満ちていた。
メイズへ通じる道の前に男達が集まっている。
その中にチャックが居るのを見て、Aは彼の元に足を動かした。
「…チャック。何があったの？」
「…実はランナーが誰も帰ってこないんだ。この時間には帰ってくるはずなんだけど…。」
心配だ。
チャックはそう言って道を見る。
集まる男達の目は皆んな同じものだった。
不安さがその表情から滲み出ているようにも見える。それはニュートやアルビーも同じだった。
その時…。
「帰ってきたぞ！！」
そこに居る全員が、ばっと顔を上げる。
何人かの男がメイズから帰って来ると、皆んなの顔は安心した表情に変わった。
しかし、すぐにその安心は消えた。
「…おい、ミンホは何処だ。」
昨日、ニュートに教えられた一人。
ランナーのリーダーであるミンホが見当たらない。
アルビーの声を聞いて、周りも辺りをキョロキョロと見渡していた。
「…分からない。集合場所に居なかったんだ。いつもミンホが一番に来ていたのに。」
「ミンホ以外が揃ってからギリギリまで待ったが、足音一つしなかった。」
ランナー達の報告に、アルビーの顔は一気に暗くなる。隣に立つニュートは真っ青だ。
Aはまだ状況が飲み込めず、その話を聞いても尚メイズへの道を見つめていた。
ブオォーーーーーーー
いきなり、道の方から強い風が吹く。
すると、チャックが心配な声を出した。
「やばいよ、道が閉じる！」
道が閉じる前触れがこの風なんだ、と瞬時に彼女は悟った。
しかし、そんな事を思っている場合ではない。
道が閉じるという事は、ミンホがメイズに閉じ込められるという事だ。
たが、その時一つの足音が聞こえた。
「…ミンホだ。おい、ミンホだぞ！！」
「ミンホ！早く来い！！道が閉じる！！」
「…何か様子がおかしい。あいつ、足を引きずってる！！このままじゃ間に合わない！！」
ミンホは右足を引きずらせながら必死にこちらに向かおうとしていた。
しかし、ミンホの姿が見えたと同時に道が閉じ始める。このままでは本当に間に合わない。
「ミンホ！！早く！早く来い！！」
「ミンホ！！頑張れ！！」
グレードの仲間達がミンホの名前を呼ぶ。
Aの頭の中は真っ白になり、ミンホも周りの声も全てがスローモーションになっていた…。
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます！ (2021年1月19日 21時) (
レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい！頑張ってください！待ってます！ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おわに | 作成日時：2019年5月13日 2時
