【第五人格】納棺師くんと占い師くん(続) (ページ1)

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僕らの愛は。ページ1

｢イライさんって嫉妬したりするんですか？｣

｢突然どうしたんだい？｣

何故こんな質問をしたのかは自分でもわからないし、理由も思いつかないので

｢いつも表情が分からないからです｣

と、適当に答えておいた。

僕が他の人と話していても

試合でチェアから助けられ、そのままの流れでナワーブさんに腕を引っ張られた時も

皆で呑んで酔っ払い、ウィリアムさんとかなり近い距離にいた時も

表情一つ変えず、いつも通りだったから

果たしてそのような感情がイライさんにもあるのかが知りたかった。

｢嫉妬した記憶は無いな｣

｢…そう、ですか。｣

イライさんはキッパリとそう答えた。

知ってはいたものの、いざ面と向かって言われると少し胸が痛い。

自分で聞いておいて勝手に傷ついて…僕は何を期待していたのだろう。

人とろくに話せないし、自分に自信が無い。

…あぁ。きっと存在意義が欲しかったんだ。

そして僕を求めて欲しかった。

大好きな人に求められて、やっと僕は存在しているんだと思える。

こんな僕でも役に立っているんだと思いたかった。ただそれだけ。

僕は自分が存在している意味をイライさんに求めようとしている。

あぁ…なんて浅ましいのだろう。

こんな僕がイライさんみたいな素敵な人の、恋人を名乗って良いのだろうか。

｢イソップくん｣

｢…なんですか｣

｢私は嫉妬なんてしないよ｣

わかっている。もう、わかった。
わざわざ２回も言わなくていいだろ…

胸が張り裂けそうに痛い。

気を抜くと涙がこぼれそうだ。

｢何故だかわかるかい？｣

｢…わかりません｣

僕のことをそれほど好きじゃない以外に理由なんてないだろう、けど認めたくなくて、わからないと言った。

｢わかっているからだよ｣

｢…何を｣

｢君が浮気なんてしないという事を｣

｢そんな保証、どこにもないですよ｣

｢私が信じているから｣

…意味がわからない。

イライさんが僕を信じているからといって僕が裏切る場合も考えられるはずだ。

｢自分の気持ちは相手に伝わる｣

｢…はぁ。｣

｢自分が相手を嫌いだと思えば相手にもそれが伝わり、相手も自分を嫌うようになる。その逆もそうだ。｣

イライさんは淡々と話す。

｢想いも同じだと思うんだ。｣

｢それは、つまり｣

｢私が君を愛している限り、君も私を愛してくれているはずなんだ｣