記憶をなくした少女 (ページ33)

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咲：え、本当に?

犬飼：ほんとだよ

澄ちゃんは昔のことを話しはじめた

犬飼：咲と出会う前から咲のことは知ってたんだ

咲：…なんで知ってたの?

犬飼：この豪邸に住んでる同い年の女の子がいるって聞いてたんだ
で、公園で遊んでる咲を見て一瞬でこの子だなって思った
最初は仲良くなりたくて声をかけたけど…引っ越すことが決まって、別れる前にクマのストラップをあげたんだ
大事に持ってくれてありがとね

咲：ごめんね、私全然覚えてなくて…

犬飼：じゃああの約束も覚えてないね、きっと

咲：約束…?

私の手をそっと握り

犬飼：結婚するって約束

咲：……///

優しい表情で見つめられる
いつもと同じ表情に見えるが、少し緊張してる様子が分かり私まで緊張してしまう

犬飼：再会した時、これは運命だと思った
だからどんな時もそばで見守ってきたし、辛いことがあれば支えになりたいと思った
それは今も、これから先もこの気持ちは変わらないよ

咲：私は小さい時のこととか、ボーダーで色々あって記憶が全然ないけど、でも澄ちゃんがいつもそばにいてくれたことは私の中ではすごく大きくて…えっと…あ、ありがとう

犬飼：じゃあ結婚、しちゃおっか

咲：不束者ですがよろしくお願いします

私は深くお辞儀する
顔を上げると笑顔の澄ちゃんと目が合う

犬飼：もちろん、今まで以上に大事にするよ

そう言ってギュッと抱きしめてくれる彼の背中に手を回す

いろいろ辛いことがあったけれど、彼の支えで今こうして大きな幸せを感じている

未来
直接伝えれないのは残念だけど
あなたがいたおかげで私と澄ちゃんは再会できた
あなたは私たちのキューピットだよ
本当にありがとう
あなたの幸せを祈っています

fin

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最後まで見ていただいてありがとうございます。
更新が滞ることがありましたが、たくさんの方に見ていただいたことが励みとなり、無事完結することができました。
本当にありがとうございます。

また新作更新することがありましたら、その時はまた見ていただけると嬉しいです。

K.Saku

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