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咲:でも手がかりはなし……か


暇になり私はいつもの場所に出かけることにした

警戒内区域であるため、いつ行っても人1人いない
それが意外と落ち着いたりする


辻:何かわかったんですか?

咲:わっ!!辻ちゃんか
ビックリさせてないでよー

辻:すみません、驚かせるつもりでは…

咲:てか、辻ちゃんなんでここにいるの?

辻:ここにきたら先輩がいるかなって思って…

咲:じゃあナイスタイミングだね
私もさっきここに来たばっかりだから


私は空き地に寝転がり、隣をポンポンと叩く
辻ちゃんは少し躊躇っていたが、そっと私の隣に来て寝転がる


咲:……今日も良い天気だね

辻:そうですね

咲:……あの日とは大違い


私がポソッと呟くと、勢いよく辻ちゃんが起き上がる


辻:思い出したんですか?!

咲:いや…
未来を呼び止める夢をよく見るけど、いつも雨が降ってるの
思い出してはないけど、何度も見てるから夢じゃなくて現実なのかなーって思ってるだけ


ゆっくりと体を起こし、ある方向を指差す


咲:その夢の中では、ゲートが開いているのはいつもあそこね
……んで、いつも黒い靄がかかっているから分からないけど、未来の他に3人ゲートをくぐった人がいる

辻:その3人はおそらく共犯者です
1人は特定できてるんですけど…

咲:誰?!

辻:雨取麟児です

咲:雨取麟児…?

辻:はい
その人の妹が今ボーダーにいるんですよ
知りませんか?玉狛にいる雨取千佳です

咲:知ってる
トリオン怪獣って言われてる子でしょ

辻:はい

咲:……雨取…麟児、か

辻:知り合いですか?

咲:……いや、知り合いじゃないと思う
てか、何でその情報を教えてくれないのさ!!
知ってるなら教えてよ!!


そう言って辻ちゃんの腕をポカポカと叩く


辻:え、すみません
……で、これから会いにいくんですか?
雨取千佳に


辻ちゃんの言葉に手を止める


咲:…行くっ!!
雨取麟児の妹なら、何か知ってるかもしれない

辻:じゃあ一緒に…

咲:いや、1人で行くよ
辻ちゃん、このことはみんなには内緒にしててね




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作者名:K.saku | 作成日時:2019年8月13日 5時

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