【SERVAMP】えっ、人間ですけど。 (ページ27)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:145,456 hit

人間　２３ページ27

真昼「！？何やってんのお前！」

うるさい、城田くんは黙ってて。騙されちゃ駄目だよ、城田くん。あ、あとクロさん。ちょ、別にクロさんを忘れてた訳じゃないからそんな怒んないでよ。忘れてたんじゃなくて、頭に出て来なかっただけだよ。うん。

って、そんなことはどうでも良く。城田くん、こいつはね、私を忘れていただけに飽き足らずあまつさえ私だけ敵の前に置いて帰りやがった、悪魔のような男なんだから！

私が怒りで目の前の変態男を首からぐらぐらと揺さぶっていると、城田くんがそれを止めようと私と変態男の間に立つ。

リリイ「ぐぇ…、や、やはりあなたはあの時真昼くんの隣にいた…」

『そうですよ、あなたが置いて行った香寺です』

私が敵意むき出しで言うと、リリイさん、いや変態男は「誤解です」と困ったように笑った。

誤解？そんなわけあるか、私はこの体で体験したんだ。敵の目前に一人置いていかれる恐怖を、敵に「なんで置いてかれてるの？」とか心配されちゃった時の殺意とか、その他もろもろを。

リリイ「いえ、私はしっかりあなたにも能力を使った筈だったんです…。ですが、使った途端あなたに吸い込まれるように消えてしまいまして…」

御園「消えた？そんなはずはないだろう」

リリイ「私も突然のことに驚いてしまいまして…、ですが、椿はあなたにそれ以上攻撃をしないようだったので」

真昼「あぁぁ！そういえばA、あのあと椿に何もされなかったのか！？」

『されなかったよ、私のハートにひびが入っただけで』

あれは傷ついた。馬鹿だとか感染するだとか、あいつらは私を何だと思ってるんだ。…て、また話がそれた。

それよりもさ、リリイさんの能力が効かないってどういうこと？リリイさんの能力ってなに？

あ、まさかサンタさんになるとか？そだね、いつでもどこでも脳内お花畑の城田くんや、意外とメルヘンそうなクロさんはともかく私には効かないと思うな。私の家にサンタなんて来たことないよ。起きたら横に「プレゼントは私」って書かれたカードと共におばさんが半裸で寝てたよ。

私がその時の様子を思い出して秘かに震えていると、私に能力が効かなかったことは後で相談することにしたらしく、四人ははや自己紹介を終え中に入り始めていた。

私も慌てて後を追いかける。私が中に入ったのを確認するように、アリスくんが後ろを振り返った。

『……？』