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過去から入ります
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「ねぇ中也さん、“動物”の作り方って知ってる?」
「あ?んだよそれ」
神原はくすくすと人を煽るように笑った。中原は、また何時ものことだろうと思い、軽く遇(アシラ)った。
動物とは、所謂“感情の欠けた人間”である。動物の様に本能だけで生き、生きるために死に、食べてく為に人を騙すような__
簡単に云えば“狂人”だ。
神原曰く、マフィアの世界で云うならば、表情ひとつ変えずに人をドン底に突き落とす事が出来る人間のことらしい。
つまり手前みたいな化け物ってことか。
中原はそういう解釈をとっていた。
「んふふ、簡単だよ」拳銃の手入れをし乍云った。「それはね、“何も教えない”ことですよ」
は__?中原の口から素の声がでた。
「あ、中也さんごめんね。意味が判んなくてもその足りない頭で考えてくださいね」
「あ?」
えーごほん、と業とらしく咳払いをする。「まぁ正確に云えば“何も”では無いですけどね。世界での生き方、ご飯の食べ方、自分の守り方だけを教えるんだよ。それだけで人は冷徹で残酷な人間、即ち化け物が生まれる、と私は思うな。」
「ふぅん」
神原は云い終わると、机に置かれている籠に手を伸ばし、フランボワーズのマカロンを手に取り、それを口に運んだ。
中原は、興味無さそうに書類を手を取り、万年筆で何かをすらすらと書き始めた。
「判り易く云えば……野良犬、ですかね」顎に手を当て、天井に視点を向け、考える素振りを見せた。「野に放たれた犬は狂犬に成り果てる。前に貧民街を覗いた時、丁度野良犬に喰い殺されている処をみました」
「その犬には誰が“教える”んだよ。」
暫しの沈黙。中原だけ、空気が重くなるのを感じた。
神原は、一目見ただけでは判らない笑みを中原に向け、口を開いた。
「環境が、教えるんですよ。」くす、と笑った。
***
「そんなことあったなぁ。早く帰らないと中也さんに殺されちゃう」
他人事のようにそう呟き、街の人だかりの中に潜っていった。
街は歓喜に満ち溢れていた。
この街は、此から恐怖と絶望に震え塗り潰されることを未だ知らない。
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Utsuro(プロフ) - アズサさん» ごめんなさい。コメントは消しておきます。ご指摘ありがとうございました。() 感想もありがとうございます!更新遅くてすみません、;; (2017年10月30日 0時) (レス) id: ca2a39a8d7 (このIDを非表示/違反報告)
アズサ - これはもっとhit伸びるべき。あっ、部外から失礼しました。あとおこがましいかと思いますが、フレンドコード登録し終わったのならそのコメント削除した方がいいですよ。そういうものを気にする方もいるので。面白いです。続き楽しみにしてます。 (2017年10月29日 23時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Utsuro x他1人 | 作成日時:2016年10月24日 22時