9色 ページ10
*
久「あの…これは一体どういうこと…」
学「まぁ、取り敢えずは何故Aが女であるにも関わらず、忍たまとして編入したかだが…A」
「…はい」
そうして彼__彼女は、身の上を話し出した。
*
勘右衛門と兵助は、保科の名を知っているだろう?
自分で言うのも何だけど、そこそこ名の知れた大名だよ。
僕は、そこの次女として生まれた。
勿論、最初は女としてね。
それなりには裕福な方だし、幸せな生活を送っていたんだと思う。覚えていないけれど。
だけど、ある日、僕ら一家に不幸が降り注いだ。
産みの母親が、流行り風邪で死んだんだ。
…あぁ、大丈夫だよ。
僕は母との思い出が無いし、顔も覚えていない。
だから、そんな顔しないでくれよ。
…話を戻すね。
当時、父と母は、とても仲が良かったらしくてね。
母が亡くなったとき、父はそれは悲しんだそうだ。
悲しみの余り、何を思ったか、僕に、男として生きていくよう命じた。
…意味が分からないって顔してるね。
用はさ、僕は母親に顔がそっくりなんだ。
きっと父は、僕を見る度、母を思い出してしまうんだ。
だから、ずっと男としての教育を受けていたし、家族と、古くから保科家に従ってくれている者以外、僕が女とは知らないんだ。
それからもう1つ。
母は、忍者が嫌いだった。
幼い頃、大事には至らなかったが、何者かの忍びに切りつけられて以来、トラウマだったらしい。
それを知っていた父は、僕を忍者にするため、忍術学園に入れたんだ。
*
66人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
睡蓮(プロフ) - こんな感じの夢主さん、好きです♪続き楽しみにしてます、頑張ってください(o^^o) (2018年11月1日 19時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ