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どこか幼さを残す顔立ちだが、ゴツゴツとした手のひらに引き上げられて、ようやく地上に出る。

けほっ…
埃っぽいな…


「ゴホッゴホッ……君、知ってるぞ…穴掘り小僧だな」
「綾部喜八郎です」
「滝夜叉丸から聞いているぞ…穴掘り小僧…ごほっ」
「綾部喜八郎ですってば」



「それで…喜八郎」
「なんでしょうか保科A先輩?」

なんでしょうか、じゃないだろう。
お前のお陰で全身土埃まみれなんだぞ。

言いたいことは山ほどあるが、それよりも先ず。


「僕にずっと落ちて欲しかったって…なんでだ?」

自分で言ってなんだが、かなり不穏な響きだ。

すると、喜八郎ははァ、とため息をついて、顰めつらしい顔でこう言った。

「いいですか先輩…この忍術学園の門を、初めてくぐったあの日を思い出してみてください」
「あの日…」

なにかあっただろうか…

「特に何も無かったけど…」
「そう!それが問題なんですよ」
「え」

な、何なんだ?

喜八郎は片手に鋤を握ったまま、人差し指をくるくるさせながら、続ける。


「僕はあの日、いつものように学園中に落とし穴を掘っていたんです。けれど、先輩は1度も落ちない、かすりもしない」
「忍者の卵として、立派じゃないか?」
「僕の作った落とし穴に必ず落ちる。これはこの世界のルールです」

善法寺伊作先輩を見習ってください、とぷりぷりしだす喜八郎。

言ってることはさっぱりだが、なんとなく先は読めたぞ。


「それで、意地でも落とそうとしたんだな」
「ええ。けれど、まだ駄目です。先輩から落ちてくれなければ」
「なんのこだわりなんだ…」

「そもそも、学園中に落とし穴を掘るだなんて、良くないんじゃないか…?」
「そんなことありませんよ」
「えっ、ちょ」

ぐいっと、先程の落とし穴より、さらに深い落とし穴に引き込まれた。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , RKRN , 尾浜勘右衛門   
作品ジャンル:恋愛
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睡蓮(プロフ) - こんな感じの夢主さん、好きです♪続き楽しみにしてます、頑張ってください(o^^o) (2018年11月1日 19時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまなっとー x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年7月15日 19時

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