14色 ページ15
*尾浜side
尾「…なぁ、なんでAは体育委員会に入ったんだ?」
「え?」
素朴な疑問だった。
入らずしても、体育委員会が委員長、七松先輩により、いつもハードな活動を行っていることは知っていたはずだ。
だから理解できなかったし、ただただ単純に不思議だった。
「うーん…、僕さ、体は女でしょ?」
尾「そうだね」
「だから、皆より力がないし…今までかなり鍛えてきたとは言っても、まだまだ充分じゃないんだ」
尾「そう? 俺はそうも思わないけど」
実際、この前行われた演習では、編入生であるにも関わらず、周りに遅れをとっている様子は見られなかったし、寧ろかなり出来る奴だと思う
「でも僕、勘右衛門の万力鎖とか、はちの微塵とか、あんなにぶんぶん振り回せない」
尾「あれは、まあ…」
そう言われるとそうかもしれないが…
「だからね、体育委員会で体を鍛えて、早く皆に追い付きたいんだ!」
尾「…」
なんともまぁ、健気な事だ
Aはこういう性格だから、色々なところから、惹き付けてきそうだ
既に手遅れな気もするが
これだから彼女の事を放っておけないし、この気持ちがただの友情なんかじゃないことも分かっている
この短期間で男一人落せるのだから、末恐ろしい女だと思う
最も、本人には自覚が無いらしいけれど。
尾「本当、無自覚で鈍感とか…勘弁してよ…」
「は?」
尾「なんでもない」
また言うときではない
お互いに、未熟過ぎるから
尾「まあ、あんまり筋肉のつけすぎには気を付けろよ。ムキムキのAなんて、見たくない」
「は、はぁ」
この華奢な身体が、ボディービルダ―になったらたまったもんじゃない。
*
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睡蓮(プロフ) - こんな感じの夢主さん、好きです♪続き楽しみにしてます、頑張ってください(o^^o) (2018年11月1日 19時) (レス) id: 2f089d0de5 (このIDを非表示/違反報告)
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