たとえ聖女じゃなくても2【d!】

57話 ページ7

【翌朝】

「……」

ut「A、食わんでえんか？」
「はい、鬱さんが食べる方がいいですし」
ut「……」

Aは、今日もいらんからって…俺にサンドイッチを渡してきた。昨日は案の定ロボロにバレてもうたから夕飯抜きになった。…なのに、その夕飯もAが渡してくれたから食えた。

勿論、Aに食べて欲しいけどあいつの事やし
きっと食べるのが嫌ってのもあるやろうから、
有難く受け取る

【宿】

ちる「？」

あの後宿に泊まりたい！ってお願いしたら快く受け入れてくれたんだけど…なんで部屋別々なの？！
え？！おかしくない？！ここは、みんな一緒でしょ！護衛はしてくれたらしいけど…

ちる「…Aちゃん、何してるんだろ」
きっとまた仕事なんだろうなー可哀想

ちる「それこそ呪われてるね」


【監視室】

tn「……」
rbr「A、言った通りやろ？」
tn「せやな…」

ロボロに言われ監視カメラ越しに見ると……屍のように動かない。仕事もなくなり…仕事以外なら何でも持ってくるとは言ったが何も要求せずただ仰向けに天井を見続けていた。

tn「…ぬいぐるみとか、持っていった方が」
rbr「…仕事、与えた方がええちゃう？」

rbr「多分、Aは仕事をしとることが平常やねん。それが取られてもうたから…こうなった」
rbr「やから、Aに仕事与えてや」
rbr「生きた屍になんてなってほしないやろ？」

tn「やってさぁ、…普通呼ばれたヤツとかは仕事せずに探検したり、遊んだりして過ごすもんちゃうんか」
rbr「それは、聖女がしてくれとる。Aは別」
tn「…わかった。Aに鬱の仕事を…渡してみるわ」
rbr「それがええ、Aが呼ばれた理由もそれやろうし」

A。飯ずっと食わんやん。外に出たら覚えとけよ。沢山美味いの食わせたるからな


【地下牢】

ut「暇や…」

あと一日半、こうして居ないと行けないのか
大好きな退屈が今はとても辛い。Aもそうなのか？

ut「…」

声をかけようか躊躇った時、珍しく彼女の声が響いてきた。驚きで一瞬動きが固まる

「鬱さん」ut「ん？なに？」
「私って、何故いるのでしょうか？」
ut「あー、…え？どゆこと」

Aもめんどくさい女なんかなと、身構えた。

その数秒前の屑を殴りたい衝動に駆られる。
…1ヶ月たってAの本性が少し
わかった気がした。

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