91話 ページ41
【フォトン・縄張り内】
tn「A、絶対お前誰かと離れんなよ」
「わかりました。」
それが数分前の会話だった。
───
「え、どうしよう…」
馬車は満足なけもの道もない自然林の中では動かせないから歩いていた。…目の前のトントンさんについていったつもりだった。目を開けた瞬間、辺りには誰もいない。うっすらした霧だけにつつまれている静寂の中だ。
「…」
【汗をかき、湿った空気のせいで高まっていく体温】を逃がしていく。頭も痛いな、なんか
「おーい、誰かいますかー」
「…いないか」
フォトン、とはエネルギーの塊。つまり魔力が膨大のはず…ならば、これも魔法の1種なのかもしれない。
待っていても置いてかれるような気がして、足を進めた。…ふらふらと歪んだ空気が私を歓迎していった。
───
ちる「あれが、フォトン…」
gr「そうだ。」
指さされたそれは、…禍々しいとは裏腹に神々しい白い光が溢れていた。井戸のような空間から溢れんばかりに輝いている。
思わず飛び込んでしまいそうになる感覚をおさえながら、グルッペンさんにお祈りの仕方を教えてもらった。
gr「お前が、強く思いながらこの呪文を唱えればいい。」
gr「強い思い…たとえば、憎しみとか悔しみとかそんなやつだ。」
gr「なんでもいい。魔力は感情だからな。強い感情があれば自ずと強くなる」
gr「それじゃ。何を思ったのかは聞かないでやる」
霧のように消えるグルッペンさん。強い思いって…
ちる「やっ、ぱ…ショッピくんの事だよね」
ちる「えっ、と…×××××、×××××」
ちる「…なんも、ならない。」
長い呪文を読み切ったのに、フォトンは何も変化しなかった。なぜ?…私はそんなにショッピくんのことを思っていないの?
なら、誰?ゾム?トントン?エミさん?
誰が好きなの?
困惑していく、視界が狭くなっていく感覚が怖い。
…違う、もっと強い感情がある。
ちる「Aちゃんが、ずるい。」
ちる「なんで、なんもしてないAちゃんの方がちやほやされてるの?私の方が今こうやって頑張ってるじゃん。可愛さだって私はお金と時間をかけて作ってきた。なのにAは、何もしてないじゃない。クマだって酷いし、メリハリのない体」
ちる「なんで、Aばっかなの?なんで?ずるい!」
ちる「Aちゃんなんて、ついてこなければよかったんだ。」
ちる「Aちゃんなんて、消えちゃえ」
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眼鏡 - 大好きです!(突然の告白)とても面白いです。更新、頑張ってください!応援してます。 (10月17日 9時) (レス) @page43 id: 7037305142 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 今日も更新ありがとうございます!夢主の心の変化が楽しみです。更新無理のない程度に頑張ってください! (10月16日 19時) (レス) @page43 id: e69af3f6e5 (このIDを非表示/違反報告)
でんじゃらす(プロフ) - コメント失礼します!いつも「聖女ちゃんかわいい報われて欲しいな〜」と楽しく読ませて頂いてます!更新頑張ってください! (10月16日 18時) (レス) id: 815ffd723f (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます笑 (10月16日 8時) (レス) @page35 id: c587418d2f (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - キャラが確立されてて面白いです!最近の楽しみです笑 (10月16日 0時) (レス) @page35 id: 29afbe8bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2023年10月10日 6時