たとえ聖女じゃなくても2【d!】

77話 ページ27

kn「…なら、撫でるか？」
「え、…いえ、大丈夫です。」
kn「いや、撫でろ」

恐る恐る振り向くと…彼は、その場に座っていた。外だしいいのかと聞くと構わないらしい。

失礼します、なんて意味の無い言葉を吐いたあとぬっくり彼の頭に触れてみた。意外にも髪の毛は固くて…細い。

「…」

ふわふわなコネシマさんもいいな。と撫でていると
私の腰に腕が回されていた。え、と困惑する前に強く彼の方に引かれる。

…彼の後ろにあったしっぽは、ぶんぶんと振ってあり…嫌では無いのかな？

「…撫でられること、お好きなんですか？」
kn「…いや。お前だからなんかいいだけ」
「…そうですか。」

弱いから、敵じゃないってことかな？
暫く撫でていると彼の頭が私のお腹をぐりぐりと押し付けてきた。擽ったくて声を漏らすと…目が合う。

kn「…お前、よう襲われんかったな」
「あんま襲われるような見た目じゃないですので」

kn「…満足したわ」

起き上がり、飯や飯、と歩き出したコネシマさん
そんなに私変な顔してた？

kn「…」

腹に頭を押し付けた時、Aの顔を覗いて見た。べつにそういう顔ちゃうねん

なんやろうな、優しそうなそれこそ…母親のような顔をしていた。なんでも許してくれそうな顔

初めて見るその顔がとても好きだった。

kn「…」

絶対、言わんけどな


【トントンの部屋】


tn「日程は、…明後日披露宴、その後出発や」
gr「わかった。」
tn「人数は、俺ら、Aと聖女。あと兵士を3割ほど。」
tn「エネルギーの塊まで片道で4日、聖女の鎮静に1日、帰りを4日や」
gr「10日か」
tn「おわったら、その日にパーティーでおわる」

gr「…」

tn「…質問どぞ」
gr「そのパーティーにAを出してもいいか」
tn「ダメやろ」
gr「…だよな。」

tn「変身魔法でAの姿は帰れるけど、その魔法にAは耐えられへんし」
tn「お祝いと言えど、酒を交わす場」
tn「酔ったやつたちが何をするかわからん」

gr「だなぁ」

せっかくなら、Aも参加して欲しかった。
…たか、俺らは外せないし…兵士に任せる訳にも行かない

gr「寂しい思いをさせるな」
tn「おわったら、会いにいけばいい」
tn「そこから、二次会でもすれば…」
tn「勿論、Aにもご馳走は運ぶ」

gr「…あとは、聖女か。」
tn「まぁ、あいつは…鬱とかでなんとか」
gr「だな」

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