Day 9 ページ9
と「だから、誰って。」
「友達だけど、」
と「すっげぇ、音聞こえた」
「あぁ。クラブいたっぽくて」
と「ふーん」
またもやつまんなそうな顔で知らんぷりすると、すぐ歩き始めた。
「ねぇ、帰っていいって言ってんじゃん」
と「…お前も、クラブとか行くんだな」
「まぁ、ってか関係ないじゃん。私だって遊びたいんだし」
と「彼氏とかいんの?」
「…いないよ」
あなたに未練があるから、と言いたかったけれど振っておいて何だよと言われそうだったからやめた。
というか、こんなところで再開しなければこんなモヤモヤしなくて済んだのに。
相手と自分のことを考えて出した答えなのに、今更後悔してしまう。
と「俺、お前のこと探してた」
「くさいこと言わないで」
と「本当だって!」
ガッとすごい勢いで肩を掴まれる。
と「お前に聞きたいことだってたくさんあったんだよ…」
「そんなこと言って、としみつは私なんかいなくたって充実してんだからいいじゃん!それに、私はとしみつのこと…好きだったよ最後まで」
と「え?」
「じゃあね」
無理やり振り払うと動揺しているとしみつを置いて小走りでホテルまで向かった。
もう二度と会いたくない。
そんなことを思いながら、点滅し始めた青信号を急いで渡った。
、、 、 、 、
「好きだったよ最後まで」
と「え?」
その場で固まって、Aを先に帰らせてしまった。
Aが言ったことは本当なんだろうか。
その瞬間、Aとの楽しかった思い出が全てプレイバックした。
サラサラの茶色いロングヘア, 笑うとクシャッとなる笑顔 ,自分の話を最後まで聞いてくれたこと……
『あー、私としみつがいないとなんも出来ないや』
と笑っていた顔が妙に濃く蘇る。
そんなこと言って、自分は出来たくせに。
だから別れを切り出したんだろ?
俺は、お前がいないとなんも出来ないのに
『じゃあさ、いつか一緒に住もうよ。その方がたくさん一緒に居られるんだよ?』
『ねぇ、あんま無理しないでね?』
『あ、明日のデートなんだけど』
と『ごめん、それ行けなくなった』
と「はっ………」
短い回想の中で、実際には見ていないAの悲しそうな顔が見える。
俺は自分に甘すぎた。
それが短所だってことは分かってる。
なのに、
と「もっかい、やり直せたりしねぇのかな…」
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りんごじゅーす。(プロフ) - amichinさん» 失礼しました(汗)教えていただき、ありがとうございます! (2019年6月29日 23時) (レス) id: 978193e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
amichin(プロフ) - 半ば強引ははんばではなく、なかばと読みますよ! (2019年6月28日 3時) (レス) id: f6d131a32e (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - とても面白い作品ですね!(*^^*)更新楽しみにしてます! (2019年6月14日 22時) (レス) id: 41e7cff00a (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - はじめまして!楽しく読ませていただいています(^_^)!細かいかもしれないですが、19歳で大学院に通っているというのは年齢的に合わないかなと思います、そこが気になってしまいましたがお話はすごく面白くてこれからの展開が楽しみです!…細かくてすみません (2019年5月23日 12時) (レス) id: b56ed7d6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごじゅーす。 | 作成日時:2019年5月18日 20時