Day 1 ページ1
『別れよう』
と『えっ、?なんで?俺、なんかした?』
22歳の頃、私は3年間お付き合いしていた彼と別れた。
彼との出会いは大学一年生の頃。
高校も大学も違ったけれど、バイト先が同じだったことをきっかけに仲良くなった。
その年の冬に告白され、交際が始まった。
普通の大学生だった彼は友達に誘われ、動画投稿をしていると言っていた。
その友達とは私も挨拶させてもらったことがあり、何度も家にお邪魔させてもらった。
そんな私は夢だったヘアメイクアーティストになるために専門学校に通っていた。
3年間のうちに彼のことをたくさん知れてたくさん思い出が出来た。
大好きだった。
それでも、二人とも忙しくなるにつれて会う数が減っていき少しずつ彼も動画配信者として成り上がって行った。
3年間築き上げてきた二人の絆が徐々に崩れていってしまうのを感じた。
これ以上一緒にいたら彼のことを嫌いになってしまうかもしれない。
彼に嫌われてしまうかもしれない。
そんな考えが頭をめぐり、その時の私には別れるという選択肢しか思いつかなかった。
もっと一緒にいたかったし、もっと愛して欲しかった。
それでも彼にはでかくなって欲しくて、私も自分の夢を叶えたくてそう告げた。
『誰も悪くないの、だから…』
と『だから、何?俺、嫌われた?』
『……としみつには、もっといい人いると思うな。ごめんね、今までありがとう』
と『ちょっ、……』
これ以上彼の顔を見ていると胸が痛くなると思って、彼の意見も聞かずに私は彼の前から消えた。
その後、メールや電話が何件も来たけど私はスマホから彼との連絡手段を全て消した。
「何してるんだろ」
25歳になった今、ふと彼のことを思い出した。
あれから私は夢を叶えて充実した毎日を送っている。
ベッドに横になっていた体を起こしてパソコンのフォルダを開く。
昔のスマホから送った画像が全て入っているからとしみつとの写真も入っている。
「………」
その画像を開こうとして、やめた。
何を今更振り返っているんだろう。
言ったのは私だったのに。
今日も私は現場に向かう。
× × × × × ×
新作、よろしくお願いします!
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りんごじゅーす。(プロフ) - amichinさん» 失礼しました(汗)教えていただき、ありがとうございます! (2019年6月29日 23時) (レス) id: 978193e2f8 (このIDを非表示/違反報告)
amichin(プロフ) - 半ば強引ははんばではなく、なかばと読みますよ! (2019年6月28日 3時) (レス) id: f6d131a32e (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - とても面白い作品ですね!(*^^*)更新楽しみにしてます! (2019年6月14日 22時) (レス) id: 41e7cff00a (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - はじめまして!楽しく読ませていただいています(^_^)!細かいかもしれないですが、19歳で大学院に通っているというのは年齢的に合わないかなと思います、そこが気になってしまいましたがお話はすごく面白くてこれからの展開が楽しみです!…細かくてすみません (2019年5月23日 12時) (レス) id: b56ed7d6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごじゅーす。 | 作成日時:2019年5月18日 20時