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目を瞬かせながらも花を受け取ったAは、浮かない表情でそれを抱え込み、
「てか、身内びいきって何……？ 言われるほど、天祥院とは『身内』って感じじゃないわよ？ 鬼龍とか斎宮くんとかなら分からなくもないけど」
憂い顔で目を伏せ、腕から溢れんばかりの薔薇に、頬擦りでもするかのように、そっと顔を寄せるA。
Aはパッと見地味だが、こういう芝居めいたポーズを取っても、実はあまり�猊發�ない�疆曚世辰燭蠅垢襦Ｂ膺佑咾燭茲Δ癖薫狼い帆蠅泙辰董�意外と様になっているのだ。
……だが、それは『黙ってさえいれば』の話。
「困るわねぇ――誰がそんなクソみたいなデマ流してんの？
もし普通科だったら、今すぐ舞い戻って捻り潰しに行かなきゃいけないんだけど……」
――と、そんな絵みたいなポーズから紡がれた無慈悲な言葉に、関係者と先生以外が皆、青ざめて1歩後退った。
ああ、まぁ、そうだよな……。そうなるよな、普通は。
あ？ 俺？ 俺は慣れてるから。別に何とも思わねえよ、今更。
と言うか、Aが本気出したら、こんなもんじゃ済まねえしな。こんぐらいならまだ可愛いもんだ。
「あっはははは！ その殺意と行動力の高さも相変わらずですねぇ、あなたは……☆」
「笑うところでは無いのだよ、渉……」
Aの発言にドン引きする周囲とは対照的に、何故か大笑いし始めた日々樹に、斎宮が呆れたように突っ込みを入れた。
「不陶、君も無闇に『潰す』だの何だのと、物騒な言葉を使うんじゃないよ。
まったく君はいつまで経っても頭が残念だねっ、黙って微笑んでいればまぁ見られなくもない見た目だと言うのにっ？」
「褒めながら貶さないでよ。反応に困るわ」
斎宮の嫌味にも、さして困ってもいなさそうな顔でケロリと返すA。
それを眺めながら、天祥院が可笑しそうにクツクツと笑っていて、蓮巳がそれを呆れたような顔で見ながら溜め息を吐いていた。
天祥院のヤツも、すっかりAに慣れたよなぁ……。去年の今頃は、Aと『問題児クラス』に散々振り回されて、いっつも悲鳴上げてたってのによ。
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
