幕間＊皇帝と魔女の予言 ページ3
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―――――― Side_天祥院英智
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「――久し振りに、『魔女』の予言を聞かせてあげる」
歌うようにそう告げて、彼女――不陶Aは、静かに嗤った。
その表情は、僕もよく見知ったもの。
――かつて『普通科の魔女』として、僕に手を貸していた時と、全く同じものだった。
何の兆しも無かった。
ただ本当に、それこそ呼吸をするのと同然と言わんばかりに、彼女は一瞬で変化した。表情も、雰囲気も。
普段上がる事のない口角がほんの少しだけ持ち上がり、深い青の瞳は僅かに細められている。
傍からすれば、滅多に笑わない少女が珍しく浮かべた、優しい微笑みに見えるだろう。
……その瞳に宿る、何もかもを見下すような冷たい光に、気付きさえしなければ。
「今度、『S1』があるでしょう？ 毎年行っている、スポンサー向けのものが」
こちらの様子を伺いもせず、彼女は淡々と話を進める。
「あ、ああ……。俺達、夢ノ咲学院のアイドルのパフォーマンスを見せる事で、スポンサーに投資の成果を見せると同時に、今後の継続的な支援を願う……接待のようなイベントだな。一般客も数多く入るが、主賓はあくまでもスポンサーだ」
戸惑いながらも律儀に答えた敬人に、彼女は一つ頷いて、
「――それ、勝つの、『紅月』じゃないから。ましてや『fine』でもない。言うなれば……第3勢力ね」
「は？」
あっさりと放たれた�猴集性瓠�
その内容に、思わず間抜けな声が漏れた。
第3勢力が、勝つ？ 今の夢ノ咲学院で、絶対とも言える生徒会側の勢力――『fine』や、『紅月』を差し置いて？
それは、つまり、
「……僕への宣戦布告かい、魔女さま？」
第3勢力は、それを覆す�牋貅雖瓩鮖�っている、という事だ。
例えば――画面の向こうで楽しげに嗤っている、『彼女』とか。
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年8月28日 13時
