転入生と新結成 ページ31
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しばらく歩いて、辿り着いたのは、とある一室。
この一角は、文化系の部室が多く並んでいる……いわゆる『部室棟』というヤツである。
目当てのドアには鍵が掛かっていた。
まぁ今は授業中だし、部室に鍵が掛けられてるのは当たり前と言えば当たり前だ。
けど、『アイツ』は教室には来ていないし、図書室にも屋上にもいない。そういう証言が得られてるので、まず間違いなく此処にいる筈。
「で、ここ、何の部屋だ？」
「『天文同好会』の部室。部員が卒業でいなくなって、今年から同好会になったらしいわ」
「ほほう！ という事は天文好きか……！ それは良いなぁ、話が合いそうだ☆」
……いや、流石にアンタの天文談義は付いてけないんじゃないかな〜。専門的過ぎて……。
とは思いつつも、興を削ぐのもアレなので、何も答えず無言で鍵を取り出す。
「お、何だそれ！ マスターキーか？」
「し〜っ、大声で言わないでよ。本来、私が持ってる訳が無い代物なんだから」
これはつい先日、野暮用で朔間先輩に会いに行った際に、�狹焼�祝い�瓩半里靴独爐�ら押し付けられた物である。
無論、こんなの持ってても使わないから……と固く断ったのだが、何故か彼も頑として退かなかったので、最終的に私が根負けした形になった。非常に遺憾である。
と言うか朔間先輩、『問題児』とか『魔女』とか呼ばれてた私に、何でこんなチートアイテム託す気になったんだろうか。万が一にも悪用される可能性とか考えてないよね。人が好すぎだよ先輩。
……ま、私としては、そっちのが漬け込みやすいから有り難いけど。
ともあれ、そのマスターキーで解錠し、重たく軋むドアを開ける。
カーテンまで閉め切った薄暗い室内。しかし、四方の壁に描かれた模様が、僅かに光を放っていた。
「これは……蓄光塗料で星座を描いているのか？ ふむ、これらは十二星座、これは北極星、夏の大三角形に冬のダイヤモンドに……」
興味深げに部屋を見渡しながらブツブツ言い始めた同行人は放っといて、私はこの部屋の『主』に言葉を投げた。
「――ミトン？ アンタが此処に引きこもってんのは知ってんのよ。話があるから、ちょっと顔見せてくれる？」
「……その『ミトン』ての、止めろっつ〜の」
と、少し高めの男の声と共に、何かの影が、暗がりの中でのそりと動いた。
長い髪を掻き上げ、眠たげな目でこちらを眺めている。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
