異世界の日常の中の【荒木荘】

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「……えっと

DIOさん、でしたよね」


「……そういう君は、ベロニカ」


DIOが薄気味悪い笑みを浮かべ、視線だけをベロニカに移す


Aは部屋を片付けに行ったから、唯一まともな私が仲介人にならなければならなくなった


……めんどくさい役目だ


「えっと……Aさんは、何年ここに住んでるんですか？

見たところ、随分と仲が良さそうですし」


「何年居るか、忘れるぐらいだな」


「まぁ、少なくとも10年は余裕で居るよな」


DIOのわかりにくい説明に、ディエゴが付け足した


20年ぐらい居る気がするのだが……


「10年！？

それは、Aが何歳のときからだ？」


「19になってからですよね、ボス」


「あいつは19なのか……？正確には39じゃないか？」


ドッピオとディアボロが説明し、ロウが驚く


全盛期が19だから何年住もうと変わらないのでは？


「なんじゃと！？

少なくとも、29歳以上ということか

見た目はマルティナより年下に見えるが……」


「……そこからか

最初から話すぞ


……私達は既に死んでいる

カーズやディアボロのように、肉体は死なずに意識だけここに来たように例外も居るが……

お前達からみた私達は、もう死んでるんだ」


プッチが聖書を開いたまま、淡々と続ける


本を読みながらよくすらすらと説明できるものだ


「この世界は、天国でも地獄でもない

ある条件を満たした者が、全盛期の姿でここへ来ることができる


そして、ここではどんな傷を負っても3日で治る

荒木荘のこの目も当てられない惨状も、翌日には治っている

もう一度死なないと天国か地獄に行けないが、死ぬ方法が限られていてね

例え血を抜こうと、貧血以上に酷くはならない

永遠に出血する」


「まぁ、その、なんだ……

年は取らないんだよ、私達は」


どうせ驚かれる


そして、引かれる


そう思い、説明しながら頭を掻いた


Aはまだ戻らないのか……？



「死んでる……！？」


「そうには見えねぇが……死んでるのか、あんたら……」


あれ、思ったより驚かない？


「あまり驚かないんだな」


「ま、まぁ

こうして死人と直接会うってのは初めてだけど

同じような経験してるし、同じような魔物が居るしね……」


「僕達の世界も僕達の世界で、A達にとっては異端な物ばかりだよ」


「ほう、異端な物……

……それ、Aには言うなよ

すぐに目を光らせ、変人の所へ連れていかれ、舐められる(物理)からな」


「……気をつけます」

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