334話【谷山side】 ページ44
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「ごめんしもんぬ!パシった上に司ちゃん任せちゃって」
「大丈夫ですよ
それに俺的にはあのまま二人っきりにする方が不安でしたし(主に紀章さんの理性が)」
「……」
「そこは嘘でも否定して!?」
「むりー」
俺の返答に「でしょうね…」と頭を抱える下野さん
だってここで嘘ついて「大丈夫」とか言ってもバレるでしょ
ただでさえ俺分かりやすいってのにウソついても…ねぇ?
「それで?…今はどんな様子?」
「え、あぁ…今はベッドで寝てますよ」
ほらと下野さんの指差した方向にはもこっと膨らんだ布団がベッドの上で存在感を放ってる
ゆっくりと近付いてみると小さく体を丸め、眉間に皺を寄せて苦しそうに荒い呼吸を繰り返す彼女の姿が目に入る
「……」
そっと手を伸ばしてみたが彼女の頬に触れる前に
昨日の事が頭によぎって思わず手を止めた。
しまった、止めなきゃ良かったと後悔するも既に遅く
行き場を無くした手を引っ込めてポケットに突っ込む
あぁ、そうだと心の中で呟いて存在を忘れかけてた袋を近くの机に置いた
「熱は?」
「さっき測ったら9度8分あって…頭痛も少しあるみたいです」
「思ってたよりたけぇな……」
運ぶ為に抱き抱えた時偉く体温が高かったから熱はあるとは思っていたけれど
予想してたよりも断然高くて背中に冷たい汗が流れてく。
とりあえずと冷えピタ買ってきたのは正解だったようだ
「……っ」
彼女の目の下の隈が目に入って、ポッケに突っ込んだ手に自然と力が入っていく
昨日見た時よりも色濃くなってるそれに眉を潜めた。
あぁ、くっそもっと早くにいっそ昨日の内に謝りに来るんだった。
そうじゃなくてもちゃんと休んでるか見に行けば…
今更な一人反省会に首を横に振る。…今はこんな事考えてる場合じゃない
「そう言えばスタッフさん達はなんて…」
「…一応様子見てどうするか決めるって
でも多分この感じだと様子見どころじゃ…
……ごめん下野さん、申し訳無いけどもう少し司ちゃん見てて貰える?
俺またスタッフさんに伝えてくるわ」
「それは良いですけど
……その、良いん、ですか?」
「…良いんだよ」
下野さんの質問に短く返す。
起こしてしまっても何を話せば良いのか分からない。
恋愛なんて、ましてや喧嘩なんて今まで数え切れない程にやって来た筈なのに
‘
今は君にどんな言葉で謝れば良いのか皆目検討もつきやしない
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最小幹部 - 奈津紀さん» うわあああっ!ありがとうごさいます!!とても励みになります!!! (2020年3月28日 22時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
奈津紀(プロフ) - こんばんは!めっちゃ続きが楽しみです!頑張って下さい! (2020年3月28日 20時) (レス) id: 05fc9e1e4f (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - 黒アゲハさん» ありがとう!ございます!!更新頑張りますっ!o(`^´*)(単純) (2020年3月16日 9時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高!!です!!(語彙力低下) (2020年3月16日 8時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - mameiyiteng3さん» コメントありがとうございます♪!紀章さんと司ちゃんの絡みは結構悪戦苦闘しながら書いてるのでそう言って頂けると、とても励みになります! (2020年2月9日 6時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
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