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303話 ページ13

電話越しの声なのにあまりにしっかりとした声に

目の前にマスターが居て真っ直ぐ見据えて来てるような感じがして
視線を下げた。


特に意味もなくショルダーバッグの取っ手を弄っていたのも
なんだか、怒られるような気がしてパッと離した



「良いかい、司。

私達と君はそれなりに長い付き合いだからね、何かあった事くらいは君の声から察せる。

だからと言って君が言いたく無いのなら言う必要も無いし私達も無理に聞き出したりしない。

だからそんな風に嘘を付くのは止めなさい」


『……うん』



優しい声、穏やかな口調、いつものマスターの喋り方に泣きそうになる。
目が潤む、流れそうになるのを我慢して震える声で返事をする。




でも口には出さない、出せないけど先に謝っておくね。






ごめんね、マスター。多分それは無理だよ。







「…と言ってもきっと君はやめないんだろうね」



『……ごめん』



うぅーん、敵わないな。見抜かれてら。

短くそう返せば大きな溜め息が電話ごしに聞こえてくる。

申し訳無い気持ちが込み上げて来るけれど
罪悪感で口を開いてしまいそうになるけれど
唇を噛んで押さえ込む。



これはただの我が儘だ。

私が負けたくなくて見栄を張ってるだけってこじつけてるだけで
その実中身なんて無い唯のエゴ


知ってる。自覚済みだとも。


でも今の私はその”今”を保つのに集中してないと
音もなく崩れて建て直せそうに無いのだ






「なら司。謝る代わりに一つ約束しなさい」


『約束?』



唐突なマスターの言葉に咄嗟に返す言葉が思い浮かばずにオウム返しすれば
「そう、約束。」とマスターの声が聞こえる。

繰り返し言われても何が何やら分かんない私は一先ず口出しをせずに
マスターの言葉に耳を傾ける。



「きっと君は心配を掛けたくない、だとか
君なりの理由で私達に弱味を見せたりしないだろう」



ハズレ、私はただ自分を強く見せたくて
そう思いたくて弱味を見せたくないんだよ

そんなに出来た人間じゃないんだよ、私は。



「でもそれはきっといつか君の心を壊す。

だからその前に人に打ち明ける事を覚えなさい。
誰だって良い、私でもありさでも、華奈でも良い

少しずつでも、小さな事でも良い
溜め込まずに吐き出す事を覚えなさい。







心配をしなくとも君が思ってるより人は優しい。
拒絶する人なんて君の周りには居ないよ」









‐‐‐

語彙が…文才が…語学力が……○| ̄|_

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設定タグ:声優 , 谷山紀章 , GRANRODEO   
作品ジャンル:その他
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最小幹部 - 奈津紀さん» うわあああっ!ありがとうごさいます!!とても励みになります!!! (2020年3月28日 22時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
奈津紀(プロフ) - こんばんは!めっちゃ続きが楽しみです!頑張って下さい! (2020年3月28日 20時) (レス) id: 05fc9e1e4f (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - 黒アゲハさん» ありがとう!ございます!!更新頑張りますっ!o(`^´*)(単純) (2020年3月16日 9時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高!!です!!(語彙力低下) (2020年3月16日 8時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - mameiyiteng3さん» コメントありがとうございます♪!紀章さんと司ちゃんの絡みは結構悪戦苦闘しながら書いてるのでそう言って頂けると、とても励みになります! (2020年2月9日 6時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:最小幹部 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月5日 21時

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