新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

247話【柏村side】 ページ4

いきなり部屋に響いた着信音はどうやら谷山さんの携帯からだったようで
さっきから此方を見てた彼は……かなり出たくないってのが顔に出てた

いや、さっき私にめっちゃくっついてましたよねアナタ
満足してないの？未だ？

……………………………………嘘ですやん


ちょっと恥ずかしくなったので壁を軽くコンと拳が軽く当てる程度に殴っといた
ごめん、壁。来世を期待して


と言うか流石に料理の時だと危ないので離れては貰ったが
あれから約15分程度しか経ってないんですがあの？



「……もしもし？」



と少し不満げな声で電話に答える谷山さんだったが
どうやら相手方は…宮野さんっぽい

なんか地味にここまで聞こえてくるし、なんかテンション高い
後声が似てるし




「24日？」



と反復した後に「ちょっと待って」とカレンダーを確認する辺り、何だろうあの隠しきれない真面目感と言うか
良い人感は

先輩とかに一人欲しいタイプ……私の場合先輩な上に恋人であるが…
……自分で言っててすごいむず痒い


そこからは少し聞こえなくなったので少し残念に思いながら
手を動かす速度を少し上げる


一度目が合うと、谷山さんの表情がどこか緩んだ気がして
此方もつられ表情緩んでアホ面になる。何この差は……顔面偏差値？

それはどうしようもねぇわな、うん


着々と準備が出来ていく中「聞けよ！？」と言う谷山さんの声が良く聞こえた
先輩の肺活量ヤヴァイ



『……って今か〜！』



続いて鳴る私のスマホ。
どうしようか、今丁度手が離せない



「司ちゃんどうす……手離せないか」


『済みません、ちょっと持ってきて貰えます？』


「あー……司ちゃん今聞くのもあれなんだけどさ」


『はい？』


「同業者に付き合ってるのバレるの……イヤ？」


『いや、別に
公にするのは抵抗ありますけど』


「……うん、じゃあ俺出て良い？」


『え、あ、どうぞ…？良いんですか？』


「多分遅いか早いかってだけで……あんま変わんないだろうな」







谷山さんが今まで見た事ないくらい遠い目してんだけど……

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