新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

263話 ページ22

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『済みません、ぼーっとしてて…………って

あれYORKE.さんじゃないですか、この間ぶりです』



目の前に立つ長身細身でサングラスの男性＿YORKE.さんと目が合う
もしかしなくとも見たまんまでYORKE.さんとぶつかってしまったようだ

私の言葉に前と変わらず眠気を誘われるゆったりとしたスピードで
「あ〜…！」と緩く声を出すYORKE.さん



「えっと確か柏村……

かしわむらー…」



「ん〜？」と私を真っ直ぐに見据えながら、こてんと首を傾げる

名字が合ってるのかどうか悩んでるのか、はたまた他の事なのか
私には皆目検討も付かないが、一つだけ言えるのは

　
……この人仕草があざといな

アニメならきっとYORKE.さんの周りにクエスチョンマークが大量発生してるぜこれ





「ちゃん…？くん…？」


『…ど、どちらでもお好きなように』



ううん、そっちか〜〜

今まで”男性ですか女性ですか？”と直で聞かれた事は多々あるけど
その聞かれ方は始めてだ、ある意味遠回しで一周回ってて新鮮好き(謎の告白)


最近は”ちゃん”呼びも”くん”呼びもどっちもされるから慣れちゃったからと答えると
それはそれでまた悩み始めるYORKE.さん

……うん、誰かが言ってた
YORKE.さんは天然マイペースだから基本的にゆったりだけどそれがまた癒される、と

誰だったっけ、確か高校か専門学校の時の同級生だったな
オタクあるあるのマシンガントークでチラッと聞いた気がする



「Ta_2…Ta_2には何て呼ばれてんの？」


『大体名字で呼び捨てですね、”柏村ー”って』


「えー…んーじゃあ、語呂が良いから柏村ちゃんにしよ」



鈴木さんの呼び方を参考にしようかと思ったけど駄目やったんやな…
何だろう、私特に悪くない筈だし悪いこと言っていない筈なのにこの胸にズシッと来るものは…………鯉？


バッカじゃねぇの(正気に戻った)



『あれ、YORKE.さんがここに居るって事はOLDCODEXさんのお仕事ですよね？
すz…じゃないや、Ta_2さんは？』


「Ta_2？さっきまで一緒に居たんだけど何か忘れ物したらしくて取りに戻った」


『あら、お若いのに……』


「ね〜」



YORKE.さん(どちらかと言うと悪)ノリが良いな
……ワンチャン適当に行ってるかもだけど

まぁ、どのみち本人の前では言えないけどね
だって怖いし







「ほぉ、俺のどこが怖いって？」


『そりゃ勿論顔つ…………







あ、これオワタ』

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