新人声優と最推しさん

9話 ページ10

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『あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…



この上なく緊張したけど頑張ったし台詞噛まずに言えたしもう兎に角緊張しまくったし逃げ出そうかと思ったけどちゃんとやり遂げた私を誰か褒めてぇ〜』


廊下を歩いて部屋に戻る途中で呟けばすれ違うスタッフさんに苦笑された
だってホントに頑張ったんだよ、高校とかの合格発表より緊張したかんね！


『はぁっ…！？』


溜め息をしようと吐き出した息を思いっきり引っ込めて壁に背中を付ける
そして壁から頭を少しだして廊下を(覗き)見る


はい、いた。


先に戻っていった先輩方
内容はまっったく聞こえないけど楽しそうに会話してる


あの豪華声優サマ方を見れるのは今すぐ死んでも良いくらいに嬉しい出来事だが
残念ながら今の私の最優先事項は早く着替えたい、である


もし、この状態でサインを貰うために話しかけたとしても
すっげぇ間抜け顔になる未来が見える。


だが、此処を通らなければ着替えることが出来ない
どうするよ私…


「にしてもあの子遅いですね」


「もう終わってる筈なんやけどな」


「だねー、もうちょっとで来ると思うけど」


「記念にとりたいもんねー」



どうしようも無さげだぞ私

「とりたい」が私の財布を取りたいなのか写真とかなのか分かんないけど
超の付く大人気声優サマ四人に対してと同じく超の付く新人声優が一人って
アウェイ感凄い


…つうか、記念に財布とりたいって何？新手のいじめ？マモちゃん私泣くよ？
(※言ってない)



「ん？」


『えっ、あっ…』


ヤ ッ ベ ェ

下 野 さ ん と 目 が 合 っ た


まぁ、反射的に隠れたのもヤバい気がしてならんけど


「いた！今壁に隠れたけどいた！」


「何やて！？早く捕まえるんや！」


えっ、待って何そのノリ
何か声優力が発揮されてる


「「了解！」」


了解ちゃう！

……うん、突っ込みと考える前に、逃げ＿＿＿＿＿




・



「隊長、無事捕獲しました」


『されました』


＿＿＿＿＿れなかった



因みにまだノリ続ける様だ
鈴村さんが丸めた台本を首もとに近付けてくる


「…お前は捕まった訳だが最期に言い残したい事はあるか」


『……お








追い掛けて来たお二人の足が、長かったです…』









この後、平和に写真撮った

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