新人声優と最推しさん

34話 ページ35

「あっ、済みません。あまりにもその光景が想像できてしまったものですから」


よっぽど可笑しかったようで涙を拭う女性


「谷坂の事良く見てるのですね」


『マネージャーをして貰ってると言う事もありますから
と言ってもまだ、3か月くらいですけど』


「と言う事は貴方が柏村さんですか、お噂はかねがね
私は上司の岡添真奈と申します」


『どうもご丁寧に。彼女にいつもお世話になってます
柏村司です』


少し遅めの自己紹介と挨拶を交わす。
……ん？噂？


「えぇ、4か月前の人気ゲームのイベント登場からご活躍されている声優さんだと
谷坂がとても熱弁しておりましたし、マネージャーにも立候補してました」


ある意味、彼女もファンの一人ですよと続ける岡添さん

何それ初耳

そして今私さらっと心読まれました？？


『成る程、会ったばかりの時のあの興奮具合に納得いきました』


「そうでしょう、本人もイベントに参加してたようですし
イベントから帰った後にも興奮が収まらない、と言った様子でしたし」


クスクスと楽しそうに笑いながら語る岡添さんに
後輩想いの良い上司ってのが私の中で印象づけられつつある

きっと間違ってない


「話が逸れてしまいましたね
えーっと、薬類はまだしもゼリーなどはぬるくなってしまうでしょうから
あの冷蔵庫を使われてみてはどうでしょう？」


そう言われればそうですわ。
いくら夜は涼しいとは言えぬるくなるし仮に明日からまた何時も通りなるとしたら
昼に帰れる保証もない。
盲点でした


『そうですね、ゼリーがぬるいのは病み上がりじゃなくても辛いものがありますから
お言葉に甘えさせて頂きます』


明日も休みでしたら凍らせといて次来た時に渡しといて下さい。と伝えて
冷蔵庫に入れさせてもらった。

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