新人声優と最推しさん

3話 ページ4

「あっ」と谷山が呟くと客の視線が彼に集まった


「勿論してませんよ？ツイ…じゃなかった、青い鳥とかで流さないでくださいねー」


彼の言葉に更に会場が沸く


「そろそろ本題入ってもええか？」

「あっ、勿論勿論。どうぞ」



「えー、じゃあ気を取り直して。一時間半近くやりまして
終わりが近付いて来てる訳ですが、皆さんどうでした？」


鈴村の言葉に会場が「えーー」っと云う別れを惜しむ声で包まれた
その中で「あれ」と下野が呟く


「僕二時間のイベントって聞いてきたんですけど」

「あっ、俺もそう聞いた」

「だよね、少し早くないですか？」


下野の言葉に他二人も同意し鈴村を見る。
会場と3人の視線を一身に浴びる


「その通りでございます。皆さんの中にも不思議に思った方も少なくないと思います。
ある意味メインが終わってない事に！」


最後の一言で再び会場は黄色い歓声に埋め尽くされる


「丁度一ヶ月前に動画サイトに投稿された動画、見てくださった方！」


「「「はーい」」」


ステージから手を上げ見渡す鈴村とステージに立つ彼等3人と一緒に
会場から大きな返事が聞こえる


「わっ、すごいすごい」

「ほぼ全員だねー」

　

一ヶ月前に投稿された動画
それは四周年記念のイベントの一つの予告として投稿されたものだった


ほぼ全員にボイスの付いているこのゲームにしては珍しく
物語でも主人公を助けたりなど、中々重要なポジションに居ながらも

ボイスどころか殺し屋と云う職業と主要キャラと関わりがある、と云う情報しかなかった
キャラの実装、名前の公表、そしてボイス


プレイヤーからすれば喜ばしい事だがこの動画はある意味話題になった






そのキャラ＿＿氷山(ひやま)辰紀(たつき)のボイスを担当する声優の名が公表されなかったのだ

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