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翌日の日曜日。
朝早く目が覚めたのは、ちょっと楽しみなことがあったからだ。
昨晩の出来事を思い出す。
そらに誘われて近所の店に飯を食いに行き、そこで二人で少し飲んだ。 いや、かなり、か。
そらは目の前に自分より羽目を外す人間がいると冷静になれたようで「おいおいおいおーい」と苦笑混じりに、俺の飲みっぷりにツッコんでいた。
特に理由はなかったけれど何となく、酔いたい気分だったのだ。
どうせ明日は休みだし、と、とことん呷っていた。
そんな折、そらがスマホを少しいじったかと思うと問うてきた。
『友だちの友だちの家がこの辺らしくて、今そこで女子会してるけど来ないか、ってさ』
『女子会に俺らが行っていいの？』
『んー、いいんじゃない？ 誘うくらいだし』
と、そらが一口ビールを飲んだ。
……正直、そういうのは苦手だ。
大して仲良くもない相手と過ごすのも、話すのも、ましてや同じ食卓を囲むなんて。しかも、女子？
その点そらは俺とは正反対で、初対面の人とでも直ぐに仲良くなる。
だから交友関係が広い。 性別問わず。
『どうする？ 行く？』
彼は「どうする？」なんて一応訊いてくるものの、内心答えは決まっているのだろう。
『……いいよ』
『よっしゃ』
やっぱりな。
気は乗らないけれど、仕方がない。
何だか機嫌が良さそうなそらが奢ってくれて、そのまま二人で店を出た。
そらの友だちから送られてきた、“友だちの友だち”の家の住所を地図アプリに入力して、それを頼りに歩き出す。
『気疲れしないの？ あんま親しくない人といるの』
『えー、全然！ 考えたこともなかった』
本当に、誰かと仲良くなることに積極的なんだな。
見習いたいと思う反面、真似出来ないから別にいいや、と黙ってそらの横を歩いた。
そして到着した“友だちの友だち”のアパート。
インターホンを鳴らすそらのうきうきした横顔と、ドアの向こうから聞こえた女の子の声に、ちょっと気が滅入る。
……あー、やっぱり俺は気疲れしそうだ。
まだ会ってもいないけど。
面倒くさいな。
そう思って、俺はぐったりとそらに体重を預けた。
『わっ、ちょっと、エイちゃん』
若干よろけたそらだったが、直ぐに体勢を立て直し、俺を支えてくれた。
『どうしたの』
『……酔った』
そんなやりとりの直後に、ドアが開かれた。
億劫になった俺は、酔い潰れて寝たフリをすることにした。
来て早々、初対面の人の家で、非常識だとは思うものの……。
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2019年9月28日 19時
