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「だから？」
マホトが結論を促した。
「まだこの中に人狼2人と、恋人2人が生きてる可能性がかなり高いってこと！
……もう投票で失敗は許されない」
今回は11人でゲームが始まった。
処刑と襲撃で2人ずつ減っていくとして、勝敗がつくまでの投票回数は最大で4回。
……恋人は2人同時に死ぬので実質ひとりの計算になるからだ。
残り4人のときの投票で、最後の人狼を吊れれば村人側の勝利。
外せば村人が1人吊られてその夜に1人襲われて、人狼の勝利。
恋人は人狼、村人の組み合わせだけど恋人陣営以外はそれを知らないから、すべての可能性を考慮する必要がある。
仮に恋人が2人とも村人だった場合、村人側は人狼2人と恋人1人、合計3人を処刑しなくてはならない。
最大4回の投票で吊るべき相手は3人。
失敗出来るのは、一度だけ。
既に一度失敗している村人側は次は、必ず人狼か恋人を吊らなければならない局面だ。
ただそれはあくまで、恋人が2人とも村人だった場合の話。
恋人が人狼人狼なら3回、人狼村人なら2回、失敗出来る計算になる。
「……今ここにいる9人のうち自称預言者と自称霊媒師は合計4人。
当たり前だけどそのうち半分は偽物」
と、はじめ。
「偽物は必ず、人狼か恋人側だから……」
リクヲが続けた。
陸、そら、マホト、美希さん────今日はこの4人の中の誰かに投票する流れみたいだ。
*
「厳しいね」
陸、エイジ、と3人で集まり私はそう口火を切った。
「……しかも、あんたかマホトが狙われる可能性が高い」
そう言って陸を見る。
「吊られるのは霊媒師を名乗ってる2人が先だと思う。
……人狼を勝たせたい俺たち3人はマホトさんには投票しない」
陸は答えた。
「3票は大きいか」
人狼側、つまりは恋人側が勝利から遠ざかる可能性は低い、ということだ。
しかし陸の表情は険しい。
その理由を代弁したのはエイジだった。
「それより問題はそらだよ。
……本物の預言者の筈なのに」
今朝の記憶が蘇る。
『Aは、人狼じゃない』
私を指したそらはそう言った。
「何で私に白出し？」
「実は偽物とか。
……用心棒に守って欲しくて嘘ついた」
エイジは推測を口にした。
「分かんないけど、人狼側を動揺させる作戦……かも」
次に陸が考えを口にする。
「今頃マホトさん、Aとそらが恋人で……Aが偽預言者のそらに守られてるんじゃないか、って疑ってるはず」
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2018年3月10日 16時
