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「何で、はじめさんを占ったの?」
陸くんがツリメくんに訊いた。
「はじめさんは議論を操ってた……、話に凄い説得力があった。もしはじめさんが人狼だったら、俺たち村人側にとって悪いことだよね!?」
ツリメくんは迷うことなく答える。
「だから俺はその正体を知りたかった。 ……もし、はじめさんが狐だったら、うまくいけばと思って」
「で、たまたまそうなった?」
「そう! そうだよ! 俺が本物の預言者。狐は死んだ。 それがはじめさんだったんだよ!」
(なるほど……)
ツリメくんは嘘をついているか、勘違いをしているのは分かる。 狐は私だからだ。
となると、 はじめくんは本物の預言者だったか、ただの村人だったか。 霊媒師や用心棒だった可能性も捨てきれない。 さすがに、用心棒はンダホくんかな?
「……人狼は?」
シルクくんがツリメくんに尋ねる。
「預言者がお前で、占いではじめが死んだとして。 人狼は誰を襲撃した?」
その指摘は尤もだった。現在、ツリメくんの推理が、憶測ではなく『間違っている』と断言出来るのは人狼と、狐しかいない。
「誰か……。 あ、自称預言者のうちの一人じゃない?」
ツリメくんがシルクくんに返す。
「そこを用心棒が護った、って?」
「うん、十分有り得る!」
ツリメくんは自信満々だったが、シルクくんは訝しげだ。
「……そうか?」
「そうだよ、きっとそう! とにかく、俺は預言者。 マホトさんとAちゃんは偽物……! 2人とも人狼だ!」
ツリメくんが人差し指の先をマホトくんと私に叩きつける。
「いや、本当はツリメが人狼で、殺した相手を“占ったら死んだ”って主張してるだけかもしんない」
マホトくんは一切動揺することなくさらりと躱した。
私も何か言った方がいいのかな、なんて思ったが、口を挟む隙がなかった。
「それ、なら、おまえは何なの……?」
ツリメくんは惑ったように俯いたが、すぐに顔を上げる。
「おまえは何なんだよ!!?」
彼が激昂し、マホトくんの方へ詰め寄る。 その勢いのまま両肩を掴み、揉み合いになった。 預言者騙りの争い。 このままどちらかが潰れるまで黙っているべきだろうか。
「ただの村人、ってことは?」
唐突に理沙さんが声を上げた。 皆が彼女を見やる。 ツリメくんたちも動きを止めていた。
「本当は村人なのに、自分は預言者だって嘘をついてた……なんてことはない?」
「何でそんなこと?」
陸くんからの問いに理沙さんが答える。
「そりゃ、投票されたくないから……」
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小桜ふわ(プロフ) - 白猫とみせかけてアルビノの黒猫さん» 叫んじゃってください!笑笑 そういったリアクションを頂けるとめっちゃ嬉しいです!d('∀'*) 本当ですか!やったー.*・゚(*º∀º*).゚・*. 今後ともご覧頂けると嬉しいです! ありがとうございます! (2019年5月1日 9時) (レス) id: 43213200ba (このIDを非表示/違反報告)
白猫とみせかけてアルビノの黒猫(プロフ) - 一目惚れ相手が陸君で、キッッッッッッッッターーーー!!って叫びそうになりました。笑笑そろそろふわさんのファンになりそうです、 (2019年5月1日 5時) (レス) id: 18a6a661ff (このIDを非表示/違反報告)
小桜ふわ(プロフ) - (名前)空々さん» ありがとうございますです!! 推薦は本当にただの紛れなんじゃないかと思うんですけど良かったです…!!(*>▽<*) (名前)空々さんも受験生なのですか?もしそうでしたら私が言うのも何ですが、合格まで一緒に頑張りましょうー!! 応援感謝します!!頑張ります!! (2017年12月19日 0時) (レス) id: e6883eaa7b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)空々(プロフ) - おめでとうございます!!推薦うらやまです。更新頑張ってください! (2017年12月18日 23時) (レス) id: aab0f67378 (このIDを非表示/違反報告)
小桜ふわ(プロフ) - まちゅさん» ありがとうございますすすすす!!!!恐縮です…! まちゅさんのご期待に添えられるようこれからも頑張ります!応援感謝します.*・゚(*º∀º*).゚・*. ありがとうございますー!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: e6883eaa7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2017年11月25日 12時