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ピピッ、とどこかで音がした。
何の音……？
なんて思っている間に
さぁやが首元を押さえた。
「えっ……、ぅ!?」
踏み出した一歩は着地せず
彼女は室内へと戻ってきたが
一度仰け反るとその場に倒れ込んだ。
ウィイーンという機械音が聞こえる。
足をばたつかせて目に涙を浮かべていた。
「うっ、うぅぅう！」
突然のことに理解が追いつかない。
一体目の前で何が起きているのか。
しばらくそうしていた彼女が
ぴたりと動きを止めた。
「え……？」
何が起きたの？
どうなったの？
誰か、教えて────。
視線を彷徨わせ、
立ち尽くしている皆の方を振り返っても
彼らは何も言わずに
ただただ呆然と硬直していた。
「嘘でしょ……？」
掠れた声しか出ない。
慌ててさぁやの元へ駆け寄り屈んだ。
きつく目を閉じた彼女はぴくりとも動かない。
【人狼は、
もう一人の人狼(カードに書かれています)と
話し合って、
夜12時から2時までの間に
村人を一人を殺して下さい。
殺せなかった場合、全員死亡します。
村人は夜12時から朝6時までは
扉を閉めたまま自室から出ないで下さい。
人狼を殲滅させれば村人の勝ちです。
村人と人狼の数が同数になれば
人狼の勝ちです。
勝った方には1億円お支払いします。
それでは各自、頑張って生き抜いてください】
画面に表示されている文字を
カンタさんが淡々と読み上げていた。
その声が耳を通り抜けていく。
私はじっと動かないさぁやに
呼びかけたり揺すってみたりして
どうにか起こそうと試みていた。
と、背後から足音が近づいてきてその人に
軽く横に押された私は体勢を崩し床に手をつく。
先ほどの私と同じように彼女の傍らに屈んだのは
長めの黒髪が特徴的な身体の大きい男子だった。
「……」
と、自身の首に手をやる彼。
思わず目で追うとそこには細い銀色の輪があった。
針金のような鉄の首輪。
一部分にモーターが取り付けられている。
これが作動するとリールが巻き取り窒息するんだ。
だから、きっとさぁやは……。
嘘だ。 そんな、到底信じられない。
高校に入ってからずっと一緒に過ごしてきて
いつも優しくて可愛い親友が
こんな一瞬で死んでしまった？
目の前で、たった今……。
わけも分からないまま、
誘拐犯たちに殺された？
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作者名：小桜ふわ
| 作成日時：2019年3月19日 9時
