魔女に花束、女王に刃2 (ページ14)

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「なんだ？人がいるぞ？」

山を超えた先の麓に誰かが立っていた。

圭「⋯城の兵士だ。」

光「今までこんな所に居なかったのに⋯」

私達が近づくと、向こうも私達に気づいたのか持っていた長槍で先へ行くのを制した。

「ちょっと、私達通りたいんだけど。」

『魔女の仔とその一行だな。ここから先へ通すことは出来ん。』

光「一行って⋯俺ら仮にも王子なんだけど⋯」

圭「圭人は元だけどね。」

「なんでよ！」

『王子のご命令だ。これ以上抵抗するのであれば武力行使も厭わないという事だ。』

「なっ⋯！」

圭「そんなこと言うような奴だったっけ⋯」

兵士は引くどころか、私達に臨戦態勢整えた。
そっちがその気なら、と私も杖を構えた時だった。

『熊だ！向こうの麓に熊が出たぞ！』

『！！なんだと？』

『誰かー！助けてくれーっ！』

「！？」

どこからか熊が出たという叫び声がした。
兵士は慌てて声のする方に反応すると、私達をちらりと一瞥した。

『う、動くなよ！この先へ行くことは許さない！』

そう吐き捨てて声のした方に走っていった。

光「⋯ガバガバだね。」

「阿呆だろ」

圭「まぁ、これでなんとかなったね。」

光「でも熊が近くにいるかもしれない⋯」

『それね、僕だよ！』

いつの間にか私達の前にはガキが1人たっていた。