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「ふぉひはへふひぉ⋯むぐ。」
「食べてから喋りなよ⋯。」
宿を出てから小さなパン屋で朝ごはんを買った。(無論圭人持ち)
食べながら旅路を行く。
「んぐ⋯っ、ふはぁ。とりあえず城目指そう。」
「正面から入るつもり?あと口拭いた方がいいよ。」
口についた粉を指でぐいっと拭き取る。
圭人は心配そうに白パンを口にしながら私を見る。
「正面以外に入口無いでしょ。」
「そういうことじゃないよ。光くんに会いに来たからって第一そう簡単に会えるわけないじゃん。」
「なんでよ。王子の友達ですって言えばいいじゃん。」
「⋯言えないよ。皆からしたら圭人は女王の裏切り者だ。いい顔はしないだろう⋯」
⋯このうじうじボンボンが⋯
さっきまでの威勢はどこいったんだよ。
そうこうしているうちに城の門の前まで来ていた。
ガタイの良さそうな門番が立っている。
「⋯ねぇ、やっぱりもうちょっと何か策を考えてから」
「ねぇ、私ら王子に会いに来たんだけど。入れさせてくれない?」
「ちょっと!」
門番に話しかけたところを圭人に遮られて、手を引かれて距離をとった場所に連れてかれた。
「何してんの!」
「入れさせてくれないか聞いてた。」
「そうじゃなくて!なんでそんな突っ込んで行くの!」
「まどろっこしいの嫌いなんだよ。城にいるってわかってるんなら普通に会いに行った方が早いだろ。大体なんであんたが躊躇ってんのさ。」
手を振り切ると再び門番の所へ話しかけに行った。
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作者名:ねむり | 作成日時:2020年10月1日 15時