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地面が揺れる。
言葉を飲み込んだ地面が少しだけ裂けて底から猛スピードで木の芽が伸びる。
太くなり、枝になった芽を掴むと急成長する木と共に私の体はどんどん上へ上へと登っていった。

広場に再び花咲く大樹が聳え立つ。
柔らかな薔薇の匂いを風に乗せて、ひらひらと花弁が舞った。









光「あ⋯!大ちゃんが寝た!」


宏「2人も寝たよ!」


雄「⋯昂った負の感情を沈めて安らかな眠りに⋯か、」









巨人はぴたりと動きを止めた。
巨人と同じ背の高さまで伸びた大樹を伝って、枝の先端まで行く。
巨人の眠そうな顔で視界が埋まる。









「誰かが認めるとか認めないとか、そんなものどうだっていい。自分自身が自分を認めてあげればそれでいいだろ。それに皆も認めてくれる。」









ゆっくりと目を閉じて眠っていく。
安らかな顔をしていた。









「女王にこれ以上囚われるな。お前はお前でいいんだよ。⋯だからこれ程までに大きな闇はもう抱えなくていい。」









祈りを込めて杖をぎゅっと握る。
王子にされた仕打ちは許せない。だけど、この潰れそうなくらい重くて苦しい感情はあいつが抱えるべきものじゃない。

皆のためにも、彼の心を救ってやる。









在るべき姿へ(ディベ-ル=アゼット)。⋯どうか苦しみから解き放たれますように。」









杖から放たれた光が太陽のように眩しく輝くと、巨人は溶けるように崩れて消えていった。
光は国全体を照らした。









涼「ぅ⋯⋯⋯⋯」


宏「見て!首の印が!」


光「すごい⋯消えていく⋯」


涼「⋯っん⋯⋯ん⋯?」


裕「やま!?大丈夫!?」


涼「⋯⋯ごめ⋯⋯⋯みんな⋯⋯俺⋯⋯⋯」


裕「いいから!無理に動こうとしないで!」


大「んんぅ⋯⋯」


侑「あれ⋯僕⋯」


宏「よかった!大ちゃんと知念も起きた!」


慧「んん⋯?」


光「あ、気づいた?よかったぁ⋯」

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ねむり(プロフ) - 山田なのさん» わー!なのさんお久しぶりです!!大変長らくお待たせしてしまいましたがやっと山田編更新しました!!叫ぶほど楽しみにしていただいて本当に嬉しい限りです(^^) (2021年9月14日 13時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
山田なの(プロフ) - ねむりさん!ご無沙汰しております、、もうほんとにずっと楽しみにしてました!更新された時はさすがに叫びました、、、 (2021年9月14日 12時) (レス) id: 603d1c35e8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - れんこんさん» れんこんさんありがとうございます!!優しいお言葉とても心に染みます涙まだまだ続いていきますので待っててください!! (2021年9月13日 3時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
れんこん - これからも体調に気お付けながら頑張って下さい! (2021年9月12日 20時) (レス) id: d97c215a56 (このIDを非表示/違反報告)
ねむり(プロフ) - 美瑠さん» 美瑠さんコメントありがとうございます!そのお言葉めちゃくちゃ嬉しいです(^^)まだまだ頑張らせていただきますので楽しみにしていただけると嬉しいです!! (2021年9月9日 18時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamane/  
作成日時:2021年9月7日 9時

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