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「はぁー⋯はぁー⋯」
走った。いっぱい走った。
とにかく広くてどこに隠れたらいいかわからなかった。
だから適当な部屋に入るしか無かった。
何も考えてなかった。だから気づかなかったんだ。
私が選んだ部屋が、あの薔薇模様の部屋だったことに。
「あ⋯!!」
入ってからやっと気づいた。
ボロボロの部屋、蜘蛛の巣も張ってて奥には⋯棺。
ここは、あの時入ってしまった薔薇模様の部屋だと。
誰かから聞いたわけじゃない。だけどここは誰も触れちゃいけない。そんな気がして。
部屋を出ようとしたけど、
「Aちゃーん?どこー?」
早くもダイキさんが近くまで来ていることを知って動けなかった。
早くない⋯?こんなに広いのに⋯
私は部屋の奥に身を潜めた。
「9個⋯」
棺は9個、目の前に並べられてた。
真っ黒でとても大きくて重そうな⋯
絵本だとここからオバケや怪物が出てくるのがよくある話。
少しだけホコリが被っていて、冷たい。
この中には一体何があるのだろう。
恐怖心と同じくらいの好奇心が湧き上がり、じっとり冷たい汗を垂らしながら棺を見つめた。
中身を知ってしまった時、私はどうなるんだろう。
そんな不安も芽生えたりしたけど、それでも私は中身が知りたくて。
冷たくて重い棺のひとつに手をかけた。
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ねむり(プロフ) - 山田なのさん» なのさんありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです...えっ女神様ですか??私も読んでくれてるなのさん大好きです!! (2020年10月14日 14時) (レス) id: 48a0a8985c (このIDを非表示/違反報告)
山田なの - 初コメ失礼します!魔女に花束、女王に刃のほうも読ませていただいております!主様のお話大好きです! (2020年10月14日 12時) (レス) id: f1b744eaab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむり | 作成日時:2020年10月9日 10時