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23-5 ページ19

*



「うん」と「分かった」だけで成された会話は、小笠原部長からの電話だったらしく、


「宴会8時からだから先に温泉でも入って来たらってさ」


そう言いながら携帯をテーブルに置いた先輩は、


「因みに、『由香ちゃんはこっちの部屋にいるから安心して』だってさ。心配してねぇっつーの」


イラつきを抑えずそう言って、フンッと鼻を鳴らした。

先輩がそんな態度だから、何となくそこから動けなくなって、


「どうしたの?」


立ち上がった朋花と中腰のあたしに掛けられた先輩の言葉に、あたし達は黙って首を横に振って座り直した。

女王の心配はしてない。
心配なのは思い人の方。

特に佑亮はかなり危険だと思われる……。



それでも部屋からは出られなくて、結局みんなで温泉に行った。

古臭い旅館の温泉は、広さだけは充分にあって、露店風呂に出て行くと、そこから見える景色が綺麗だった。


「あいつ、旅館選びは上手いのよね」

「あいつって小笠原部長ですか?」

「そうそう。毎回旅館自体はボロくても景色のいい場所選んでる」

「へぇ」


露店風呂に入りながら先輩とそんな話をしていると、露店風呂の引き戸がカラカラと開く。

何気にそっちに視線を向けると、そこには真っ裸の女王が立ってて、


「あ、ここにいたんですね」


女王がそう言いながら露天風呂に足を入れた。



*

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設定タグ:超特急 , タクヤ , 草川拓弥   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ピカ | 作成日時:2016年5月30日 23時

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