crime#7 ページ33
「行こっか。」
兄ちゃんに手を引かれ、駅へ向かう。
そういえば、兄ちゃんと2人で歩いたこと殆どないな…。
オカンに似て大きくなった僕と、オトンに似て小柄な兄ちゃんは
2歳も離れてるのに背が同じくらい、もしかしたら僕の方がちょっと大きいかも。
でも兄ちゃんの背中はめっちゃ大きかった。
兄ちゃんがおらんかったら、僕はもっと大切にされてたんやないか、って
何度も思ったくらい、その存在は大きかった。
大きくて、僕にはとても越せそうにない。
「……俺、忠義が羨ましいねん。」
不意に、兄ちゃんに言われた。
「えっ…なんで、」
僕は兄ちゃんの方が羨ましい。
僕なんか落ちこぼれやのに…。
「…プレッシャー、なんよ。褒められたら褒められただけ。
結果残さな、って。愛想つかされないように…。」
僕だってプレッシャーくらいある。
兄ちゃんとは違って、期待にこたえるんじゃなくて、失望させないために。
「忠義だって大変なのはわかってるよ?」
僕の表情から察した兄ちゃんが微笑んだ。
「頑張ってるのも知ってる。でもね、俺やって頑張ってんねん。
勉強だけじゃない。運動も、人間関係も、芸術も、何もかも。必死に頑張って、結果出してるんや。」
「…。」
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うぇすと(プロフ) - yuiさん» コメントありがとうございます!全部読んでくださったんですか!嬉しいです♪是非他の作品にも遊びにしてください! (2014年10月12日 7時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 初めまして。小説全部読みました! とても素晴らしかったです! 最後の作者様の言葉がとても心に響きました。 お疲れ様でしたm(_ _)m (2014年10月11日 1時) (レス) id: 95888b2c9a (このIDを非表示/違反報告)
うぇすと(プロフ) - みなこさん» いえいえ、ご期待に添えられず申し訳ないです…。ジャニストの小説も書きたいんですけどね…。あと少しですが、見守って下さると嬉しいです! (2014年10月3日 21時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - 無理なお願いすみませんでした(;´д⊂)完結まで楽しみに見せていただきます! (2014年10月3日 21時) (携帯から) (レス) id: 2b4a624210 (このIDを非表示/違反報告)
うぇすと(プロフ) - みなこさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエストはとても嬉しいのですが…すみません。もうこのシリーズは完結させようと考えているので、ジャニストver.は厳しいかと…(汗) (2014年10月3日 20時) (レス) id: 23b6e627cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うぇすと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/7553/
作成日時:2014年7月19日 11時